スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
自分の部屋に戻って、インタビューの原稿を書いてあるルーズリーフに視線を落とす。
高坂専務に言われたのが『全部答えてくれないよ』だもんな、私から見たシンクロ…、先ずは競技自体に知識が無いからもう一度確認しようと、ノートパソコンの電源を入れて、自分のノートをパラパラと捲ってシンクロの所を開いた。
ノートにはただルールと技の名前とそれを簡単に絵に書いた箇所で、これだとただの見たままで聞きたい所を書いていない。
「もう一度、井上監督が代表チームに携わった時期とそうでない時期を見てみようかな」
ルール自体は変わっていないから、きっと演技の違いがある筈だと思い、検索からシンクロの映像を調べ…、あった!それぞれのシンクロの映像を見比べいると、使用している音楽や衣装、選手自身も身長が違ってはいるけれど、それに合わせて振り付けや隊列も違いがあった。
井上監督は音楽と技の流れに重視をしており、シンクロという言葉を体現するかのように角度も正確性が凄いし、1人で演技をするソロではなく団体で行うから、選手一人ひとりの意識を統一させないといけないよね。
「私が聞きたいこと…」
ペンを握って、言葉使いも漢字も仁さんがいつも細かく見てくれた事を思い出し、一文字一文字を綴っていく。
映像を見て、一時停止をして、ペンを走らせ、また映像を見て…、時折自分で声を出して文章が可笑しくなっていないかな?と工夫しながら原稿を進めていった。
するとスマホが鳴り、誰だろと画面をタップしたら秘書の橘さんがメッセージを送ってきていたので、開く。
『仁君のお見舞いには行かないの?』
『今インタビューの原稿を書いていて、完成が出来るまでは行かないように決めています』
『そっか、宝条さんがそう決めたなら良いよ。明日退院で、稔と仁君で井上監督の所へ行くことになっているから、それだけは伝えておくね』
『ありがとうございます。原稿も頑張ります!』
忙しい中で連絡をしてもらって、ありがたいな。
またペンを握って原稿を書き続け、途中、夕飯も食べて、また部屋に戻って続きを繰り返す。
明日は自宅待機が終わって四つ葉にも行けるし、ようやく仁さんとあのシェアハウスで秘密の同居生活が出来ると思うと頑張れるし、なんとしてでも宿題と原稿の完成を目指そうと決めた。
集中していたら部屋のドアがノックされてお父さんが入ってきて、私はペンを置く。
「明日で自宅待機は終わりか」
「うん。でも、また帰って来るよ」
「折角だから、下で飲むか」
「うん!」
私は椅子から立ってお父さんと一緒に1階に降りてリビングに行き、キッチンにある冷蔵庫から瓶ビールと烏龍を出してグラスを用意し、お父さんと2人きりで晩酌を楽しむ。
「ずっとゴロゴロしていたら退職しろって言っていたが、そうじゃなくて安心した」
「四つ葉を辞めないって言ったし、まだ私が書いた記事が載っていないから、早く載りたいな」
「載ったら親戚中に配ろうかな」
「大袈裟だよ~。でもそう言ってくれるの、嬉しい」
「出版業界で働きたいって簡単じゃないだろ」
「うん…。先輩達が凄すぎて、それでもこんな初心者の私に惜しみなく教えてくれるのが嬉しいし、前にねある人から凄く嫌な事を言われたけれど、荒木編集長が『“好き”になって欲しい、本を作るという編集の世界を』って言ってくれて、それが心に響いて頑張れるんだ」
仁さんから言われたこの言葉は一生の宝物だし、いつか私に後輩が出来たならこの言葉を送りたいな。
「荒木編集長は本当にスポーツが好きで、雑誌に携わる事に真剣だよな。お父さんもそう感じたし、一緒に働いている人や真琴は幸せだな」
「うん!」
お父さんの言葉、仁さんに聞かせたいから、この後メッセージだけでも思ってみようかな?
お父さんと晩酌を楽しみ、自分の部屋に戻り、スマホを取って仁さん宛にメッセージを作る。
『お父さんが仁さー…』
プルルー…と着信音が鳴り、画面には『荒木編集長』とあった。
高坂専務に言われたのが『全部答えてくれないよ』だもんな、私から見たシンクロ…、先ずは競技自体に知識が無いからもう一度確認しようと、ノートパソコンの電源を入れて、自分のノートをパラパラと捲ってシンクロの所を開いた。
ノートにはただルールと技の名前とそれを簡単に絵に書いた箇所で、これだとただの見たままで聞きたい所を書いていない。
「もう一度、井上監督が代表チームに携わった時期とそうでない時期を見てみようかな」
ルール自体は変わっていないから、きっと演技の違いがある筈だと思い、検索からシンクロの映像を調べ…、あった!それぞれのシンクロの映像を見比べいると、使用している音楽や衣装、選手自身も身長が違ってはいるけれど、それに合わせて振り付けや隊列も違いがあった。
井上監督は音楽と技の流れに重視をしており、シンクロという言葉を体現するかのように角度も正確性が凄いし、1人で演技をするソロではなく団体で行うから、選手一人ひとりの意識を統一させないといけないよね。
「私が聞きたいこと…」
ペンを握って、言葉使いも漢字も仁さんがいつも細かく見てくれた事を思い出し、一文字一文字を綴っていく。
映像を見て、一時停止をして、ペンを走らせ、また映像を見て…、時折自分で声を出して文章が可笑しくなっていないかな?と工夫しながら原稿を進めていった。
するとスマホが鳴り、誰だろと画面をタップしたら秘書の橘さんがメッセージを送ってきていたので、開く。
『仁君のお見舞いには行かないの?』
『今インタビューの原稿を書いていて、完成が出来るまでは行かないように決めています』
『そっか、宝条さんがそう決めたなら良いよ。明日退院で、稔と仁君で井上監督の所へ行くことになっているから、それだけは伝えておくね』
『ありがとうございます。原稿も頑張ります!』
忙しい中で連絡をしてもらって、ありがたいな。
またペンを握って原稿を書き続け、途中、夕飯も食べて、また部屋に戻って続きを繰り返す。
明日は自宅待機が終わって四つ葉にも行けるし、ようやく仁さんとあのシェアハウスで秘密の同居生活が出来ると思うと頑張れるし、なんとしてでも宿題と原稿の完成を目指そうと決めた。
集中していたら部屋のドアがノックされてお父さんが入ってきて、私はペンを置く。
「明日で自宅待機は終わりか」
「うん。でも、また帰って来るよ」
「折角だから、下で飲むか」
「うん!」
私は椅子から立ってお父さんと一緒に1階に降りてリビングに行き、キッチンにある冷蔵庫から瓶ビールと烏龍を出してグラスを用意し、お父さんと2人きりで晩酌を楽しむ。
「ずっとゴロゴロしていたら退職しろって言っていたが、そうじゃなくて安心した」
「四つ葉を辞めないって言ったし、まだ私が書いた記事が載っていないから、早く載りたいな」
「載ったら親戚中に配ろうかな」
「大袈裟だよ~。でもそう言ってくれるの、嬉しい」
「出版業界で働きたいって簡単じゃないだろ」
「うん…。先輩達が凄すぎて、それでもこんな初心者の私に惜しみなく教えてくれるのが嬉しいし、前にねある人から凄く嫌な事を言われたけれど、荒木編集長が『“好き”になって欲しい、本を作るという編集の世界を』って言ってくれて、それが心に響いて頑張れるんだ」
仁さんから言われたこの言葉は一生の宝物だし、いつか私に後輩が出来たならこの言葉を送りたいな。
「荒木編集長は本当にスポーツが好きで、雑誌に携わる事に真剣だよな。お父さんもそう感じたし、一緒に働いている人や真琴は幸せだな」
「うん!」
お父さんの言葉、仁さんに聞かせたいから、この後メッセージだけでも思ってみようかな?
お父さんと晩酌を楽しみ、自分の部屋に戻り、スマホを取って仁さん宛にメッセージを作る。
『お父さんが仁さー…』
プルルー…と着信音が鳴り、画面には『荒木編集長』とあった。