スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
電車の車窓から景色を眺めるも、その景色は頭に入らず、真琴の事がずっと気になっている。

今は祐一さんが側にいてくれるのが有難いし、早く✕✕駅につかないかと落ち着かない。

やがて電車が目的の✕✕駅に着いて、急いで改札を出て時間制の駐車場を探し回って、祐一さんの車を見つけると俺は後部座席のドアをノックした。

ドアがガチャっと開いて、俺は左手でドアを全開に開いて屈んで、右手を差し出す。

「“一緒に帰ろう”」

すると真琴の両腕が伸びてきて、俺は左腕を引き寄せて2人でその場で地面に座った。

俺の腕の中で泣き続ける真琴の背中に、自分の手を回して優しく叩く。

「終わったから」
「……」
「もう大丈夫」
「………」

真琴は無言で何度も頷き、俺の白シャツに涙の雫が沢山落ちて染みるけど、どうだっていい。

今は“こう”していたいし、ちらっと運転席に顔を向けると、バックミラー越しに祐一さんが微笑んでいて、顔は俺達の方には振り向かずにいた。

暫くは真琴の状態が落ち着くまで地面に座り続け、真琴がゆっくりと顔を上げる。

「少しだけ…大丈夫です」
「本当に?」
「は…」

“い”と同時に真琴のお腹がぐぅっと鳴り、真琴は慌てて両手でお腹を押さえ、俺はプッと笑う。

「笑わないで下さい!」
「さっきまでの雰囲気が台無し」
「ずっと何も口にしてなー」

また真琴のお腹がぐぅっと鳴り、俺は肩を震わせると真琴はムスッとする。

「もう!笑い過ぎです」
「ご免」

俺は真琴の右手を握って一緒に立つと、運転席のドアが開いて祐一さんが降りて、俺達の所に来てバックを渡してくれたので、受け取る。

「側にいてくれてありがとう」
「当たり前の事をしただけだし、終わって良かった。車で送るよ」
「いい。“一緒に帰る”から」

俺は真琴の手を強く握り、顔も真琴に向ける。

「そうだね。お邪魔しちゃ悪いし、また明日」
「駐車場代は払う」

俺は真琴の手を握っていた手を離して黒パンツから財布を取り出し、小銭を数枚を取って祐一さんに差し出した。

「ちゃんと受け取って」
「渡すのは仁君らしいね。ありがと」

祐一さんは小銭を受け取ると精算して車に乗り込み、俺達は車を見送り、俺は終わったと安心して空を見上げ、ふぅっとする。

亮二の事は明日、高坂さんに伝えるとして…、俺は真琴の方に顔を向けた。

「タクシーでシェアハウスに直帰するよ」
「……はい!」

やっと真琴の笑顔が見れ、この後はたっぷりと真琴に触れようと決め、2人で駅に向かった。
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