スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
四つ葉を出たのは午後7時50分で、真琴には帰宅してから亮二の事を話す事と帰り道はスポーツ部のメンバーと帰るようにと、スマホのメッセージで伝えた。

会議室の戸締まりをして1階の総務課に行き、新しく取り付けられたICカードで施錠のやり取りを出来る機械にタッチして中に入り、鍵は総務課の簡易金庫の中に暗証番号を入力して中に入れる。

取り敢えずの応急処置的に金庫を使っているけど、将来は専用のICカードで会議室や在庫室の施錠のやり取りをするって高坂さんが言っていた。

俺は四つ葉を出て藍山駅に向かい、電車を乗り継いで✕✕喫茶店に行き、お店の中を見渡すとまだ亮二の姿は無く、先に席を取るため店員に話しかけて奥の席に案内してもらい、ホットミルクを注文して亮二を待つ。

亮二が来るまでバックから野球の球宴の下書きと鉛筆を取り出して、追加で足したい事を書いていき、どんどん走らせているとドカっと音がして顔を上げたら亮二が対面の席に座っていた。

「注文していい?」
「良いけど」

亮二は手を挙げて店員を呼び、大盛りのパスタを頼んだ。

「クリームソーダじゃないんだ」
「食後に頼むし、先ずは腹ごしらえ。お前は食わねぇの?」
「見てるだけでお腹がいっぱいになるからいい」
「遠慮無しで食う」

運ばれた大盛りパスタをずるずると食べる亮二を見て、本当に良く食べるな。

「話って四つ葉の続き?」
「そう。高坂さんが契約自体は切らないって。でも7月号の後は真琴の気持ちが落ち着くまではこっちから連絡はしないし、その期間がもしかしたら半年、覚悟して」

俺は専務室でのやり取りを亮二に伝え、反応を見ると、当の本人はパスタを一口含んで口を動かして、ゴクリと食べた。

「ま、そうなるだろうなと思った」
「亮二はそれで良いの?」
「覚悟は出来てるし、半年なんざあっという間に過ぎて、その分“自分の目”の撮影をこれでもかってくらいに撮る」
「そっか…」

俺はホットミルクを一口飲み、静かにカップを置いた。

「秋山にはまだ教えきれてない事がわんさかあるし、あいつにも半年サボんなよって伝えろ」
「伝える。亮二と離れるの、寂しいな」
「はっ。ひよっこといちゃつく事が出来てホッとしているくせに」

亮二はパスタをバクッと食べる。

「確かにホッとしている。今朝も抱いたし」
「グフっ」

俺が冷静に答えると、亮二は蒸せて咳き込む。

「汚い」
「ゲホッ…お前の言い方、ムカつくな」
「お互い様」
「半年経ったら、また奪うから」
「奪わないくせに」
「どうだか。せいぜい愛想つかされて実家に帰られろよ」
「帰られても迎えに行く」

そこからはお互いあー言えばこういうの応酬が続き、結局亮二とは半年経っても真琴との取り合いが続くんだなと思った夜だった。
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