スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~

※半年後は覚えてろよside三輪亮二

side三輪亮二

仁との電話を終え、スマホをベットに放り投げ、シャワーを浴びるために風呂場にいき、服を脱いで乱雑に洗濯機へ突っ込んだ。

熱いシャワーを浴び、シャンプーでガシガシと髪を洗い流し、くそ…と思いながらムカつく感情を一緒に洗い流そうも、スッキリはしない。

泡を洗い流してバスタオルで全身拭き、腰タオルで風呂場を出て、キッチンに向かい、冷蔵庫のドアを開けて冷えた炭酸水の瓶を手に取った。

栓を開けてグビグビと半分を飲み、思いっきり息を吐く。

瓶を持ったまま寝室に行き、ベットに腰掛けてサイドテーブルに瓶を置いて漆黒の一眼カメラを手にして、液晶画面を操作して、たった1枚のひよっこの笑顔の写真を眺め、消去のボタンに指をかけるが…

「消せるわけねぇだろ」

俺に見せて欲しい顔、消せるわけねぇ。

消去のボタンから指を外して液晶画面の電源をオフにし、漆黒の一眼カメラをサイドテーブルに置いてベットから立ち、腰タオルを解いてクローゼットから下の下着だけ手に取って履き、ベットにドサッと横になった。

瞼を閉じればひよっこからぶつかって初めて会った日、『カメラや編集の世界は甘くねぇぞ』と告げた日、仁に『ひよっこに惚れてるから、邪魔すんなよ』って言った日もあったな。

同じ女に惚れて、俺にはムスッとしたりぎゃあぎゃあ言い合ったり、だけど仁にしか見せていない顔がある筈で、これが“恋敵”ってやつか。

はっ、いい大人が年下の女、いや、ひよっこだからこそ惹かれ、こんなにも夢中になるなんてな。

瞼を開けてムクッと起きて漆黒の一眼カメラを手にし、寝室から出て、現像用として使っている部屋に入り、漆黒の一眼カメラと印刷機をケーブルで繋いで、液晶画面を表示させてひよっこの写真を印刷する。

写真を手に取って、ペンも手に取り、写真の裏面に『惚れた女』と書いて寝室に戻り、バックから手帳を出して、表紙のカバーの隙間に写真を入れた。

「せめてこの写真の笑顔だけ、独占してもいいだろ」

絶対仁には見せねぇし、7月号の仕事が終われば暫く会わないが、半年間はせいぜい2人でのんびりしてろよ。

半年後は仁に唇を奪った仕返しをしてやろうと、口元がニヤっとしながら炭酸水を一気飲みした。
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