スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
初めて仕事帰りに真琴とデートをしたいと思ったのは、個人の企画の取材を終えて四つ葉に戻った時に編集部に寄った所からになる。
個人の企画の纏めをしたくて自分の席に座って、ノートパソコンを使ってキーボードを打ち続けていると、タウン情報部の姫川が九条さんと次号の事で話し合っていた。
「私はこっちのお店が次号のコンセプトに合っていると思うんです」
「良いと思うが、理由は?」
「昼間に行くカフェも良いですが“Forcus”の読者層には社会人も多いので、仕事帰りにもカフェに行けるお店は貴重です」
「“夜カフェ”ねぇ」
九条さんの提案に、姫川はあまり興味はなさそうに答える。
「今日のお昼に宝条さんと星野さんで【もりや】に行った時に、話の流れで宝条さんが『夜景が観える所に行ってみたい』って言っていたんで、需要はあると思うんです」
俺はその話にキーボードを叩く指がピタッと止まり、聞き耳をたてる。
「S駅から近いオフィスビルですし、仕事帰りのデートにはもってこいの場所ですよ」
そこから九条さんは熱心に姫川にプレゼンをしていて、姫川は渋々そのお店の掲載を許可していたけど、真琴から何処かに行きたいって聞いたことがない。
思い返せば普段四つ葉とシェアハウスの往復だし、デートだなんてろくにしたことがないと気づき、腕時計の時間を確認すると午後6時になりそうだった。
よしー…、俺はノートパソコンの電源を落として荷物を纏め始める。
「もう、帰んのかよ」
「たまには。行きたい所があるし」
姫川に声をかけられ、帰ることを言って編集部を出て、すぐさまスマホを取り出して九条さんが話をした店を検索し、“夜カフェ”の住所をコピーして真琴に送ったのだった。
結果的に真琴は凄く喜んでいたし、俺も仕事帰りはいつも四つ葉かシェアハウスだったので、こうして恋人同士らしい事を出来たのは良かったな。
翌日、藍山駅に向けて歩いていたら九条さんがいたので声をかける。
「はよう」
「おはようございます」
「あのさ…」
「はい?」
「昨日編集部で話していた“夜カフェ”のことだけど、話が聞こえてて、俺の知り合いに場所を教えたらとても喜んでいた。ありがとう」
俺と真琴が付き合っている事は秘密だから、“知り合い”という言葉で濁し、2人で行った事も伏せつつ、感謝を伝えた。
「ど〜いたしまして。“Forcus”に異動してからお店を知るようになったんで、いつでも聞いて下さい!姫川編集長よりもセンスはあると思います」
九条さんは嬉しそうに微笑み、四つ葉のビルに入っていった。
店選びのセンスは高坂さんが一番だけど、女性目線で選んでもらうのも有りだし、次は真琴から直接仕事帰りのデートをどう過ごしたいか聞きたいな。
こう思うのも真琴と付き合うようになったからだし、次の仕事帰りのデートを叶えられるようにしようと思ったのだった。
初めて仕事帰りに真琴とデートをしたいと思ったのは、個人の企画の取材を終えて四つ葉に戻った時に編集部に寄った所からになる。
個人の企画の纏めをしたくて自分の席に座って、ノートパソコンを使ってキーボードを打ち続けていると、タウン情報部の姫川が九条さんと次号の事で話し合っていた。
「私はこっちのお店が次号のコンセプトに合っていると思うんです」
「良いと思うが、理由は?」
「昼間に行くカフェも良いですが“Forcus”の読者層には社会人も多いので、仕事帰りにもカフェに行けるお店は貴重です」
「“夜カフェ”ねぇ」
九条さんの提案に、姫川はあまり興味はなさそうに答える。
「今日のお昼に宝条さんと星野さんで【もりや】に行った時に、話の流れで宝条さんが『夜景が観える所に行ってみたい』って言っていたんで、需要はあると思うんです」
俺はその話にキーボードを叩く指がピタッと止まり、聞き耳をたてる。
「S駅から近いオフィスビルですし、仕事帰りのデートにはもってこいの場所ですよ」
そこから九条さんは熱心に姫川にプレゼンをしていて、姫川は渋々そのお店の掲載を許可していたけど、真琴から何処かに行きたいって聞いたことがない。
思い返せば普段四つ葉とシェアハウスの往復だし、デートだなんてろくにしたことがないと気づき、腕時計の時間を確認すると午後6時になりそうだった。
よしー…、俺はノートパソコンの電源を落として荷物を纏め始める。
「もう、帰んのかよ」
「たまには。行きたい所があるし」
姫川に声をかけられ、帰ることを言って編集部を出て、すぐさまスマホを取り出して九条さんが話をした店を検索し、“夜カフェ”の住所をコピーして真琴に送ったのだった。
結果的に真琴は凄く喜んでいたし、俺も仕事帰りはいつも四つ葉かシェアハウスだったので、こうして恋人同士らしい事を出来たのは良かったな。
翌日、藍山駅に向けて歩いていたら九条さんがいたので声をかける。
「はよう」
「おはようございます」
「あのさ…」
「はい?」
「昨日編集部で話していた“夜カフェ”のことだけど、話が聞こえてて、俺の知り合いに場所を教えたらとても喜んでいた。ありがとう」
俺と真琴が付き合っている事は秘密だから、“知り合い”という言葉で濁し、2人で行った事も伏せつつ、感謝を伝えた。
「ど〜いたしまして。“Forcus”に異動してからお店を知るようになったんで、いつでも聞いて下さい!姫川編集長よりもセンスはあると思います」
九条さんは嬉しそうに微笑み、四つ葉のビルに入っていった。
店選びのセンスは高坂さんが一番だけど、女性目線で選んでもらうのも有りだし、次は真琴から直接仕事帰りのデートをどう過ごしたいか聞きたいな。
こう思うのも真琴と付き合うようになったからだし、次の仕事帰りのデートを叶えられるようにしようと思ったのだった。