スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◆信じてくれないのがショックです
仁さんと初めて仕事帰りのデートをしてから1週間が過ぎ、会議室は仁さんと伊東先輩を除いたメンバーがいて、この日は田所副編集長が6月号から手がけているサマーリーグの7月号バージョンのレイアウトについて、田所副編集長が製作班に熱心にイメージを伝えていて、私は中畑さんの隣に座り、田所副編集長の話をメモをする。

「6月号の時は色を控えめにしましたけど、7月号はより注目をして欲しいので、俺はタイトルの文字の色を赤にしたいです」
「その記事の1ページ目に写真と文章をいれるのなら、タイトルの色やその大きさによってバランスを考えないといけないので、幾つかパターンを考えさせて下さい」
「分かりました。写真の候補は共有フォルダに転送をしていて、後で山田と一緒に確認をお願いします。あと、サマーリーグ関連で広告を出したい企業から相談を受け、これは荒木編集長に伝えてまして、返事待ちです」

田所副編集長が企業から相談された広告についての書類を中畑さんに渡し、私もみさせてもらったけど、衣類を洗濯する際に使われる洗濯用洗剤で、サマーリーグのロゴが入った開催記念用の特別パッケージだった。

色違いのパッケージがいくつかあって、普段シェアハウスで使う洗濯用洗剤って安い物を使っているから、こういうデザインって新鮮に感じる。

「荒木編集長のページが減った分、広告のページがあるのは良いですけど、やっぱ載せて欲しかったですね」
「本人が納得しているなら、俺達は何も言えないですね。この後、サマーリーグの取材を観に行っている水野と秋山が戻ってくるので、原稿の進捗を確認します。お時間をいただいてありがとうございます」

中畑さんの言葉に田所副編集長は仁さんの事を半分納得はしているけど、私もやっぱり読みたかった気持ちがある。

田所副編集長は自分の席に戻って原稿を書き始め、私も中畑さんと一緒に田所副編集長から受け取った広告の情報を保存する為にノートパソコンを使い始めた。

「田所さんのサマーリーグの原稿は10ページを使うから、大まかな広告の位置を決めておこう」
「広告を入れる場所は優先的にこの企業でって決めているんですか?」
「企業からのリクエストもあるけれど、例えば飲料水系だったら有名なA企業を掲載するのが多いかな」

中畑さんから渡された広告の資料を元に、一緒に1ページづつ位置を決めていくけど、他にも先輩達の記事と広告のレイアウトをしていかないといけなくて、今日は長く会議室にいることになるかも。

お昼を過ぎ、午後も広告のことを進めていると会議室に伊東先輩と仁さんが入ってきて、2人はそれぞれの席に座り、仕事をし始めようとしたら会議室のドアがノックされて開くとファッション部の副編集長が私を手招いたので、なんだろうと思い、席を立って側に行く。

「宝条さんって芹澤っていうアナウンサーと知り合い?」
「ええ。大学が同じでしたし、サークルの友達と交えて遊んだ事があります」
「そうなんだ!今回“Clover”の企画で、複数の男性アナウンサーが対談形式で登場するんだけど、新人アナウンサーの人達に交渉したら芹澤っていう人が『宝条と同じ大学なんです』って言っていて出演が決まって、明日、本人が四つ葉に来る時に宝条さんとお昼に少しだけ話をしたいって言うんだけど、大丈夫?」
「明日ですか?」

急に言われても…、そりゃ芹澤と久しぶりに話せるのは良いけれど、前に仁さんに私が芹澤が映っているテレビを見ていたら嫉妬したって言っていたので、ここでハイとは言えないし、せっかくだけど…。

「すいません、7月号の進行があって難しいです。せっかく声をかけていただいたのに、すいません」

私は誠意をもって副編集長に頭を下げて、数秒後に頭を上げた。

「ううん、対談の企画も好評だからさ、今度スポーツ選手も考えておくよ」

それじゃあと副編集長はドアを閉めて、私はふうと息を吐いて振り返る。

「お仕事中にすいませんでした」

私は自分の席に座り、仕事を再開した。
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