スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「稔が言っていたように、良い雰囲気だね」
「でしょ?俺が編集長の時より良いメンバーが集まっているし、荒木じゃないとここまで続かなかったよ」

秘書の橘さんと高坂専務が私達の事を微笑ましく見ていて、高坂専務は上座の席に座る。

「ノルマ3ヶ月に向けて頑張ってくれて、本当にありがとう。荒木がいきなりあんなことを言うからビビるよな」
「荒木編集長はずっと俺達を導いてくれているので、これからもいてくれないと困りますよ」
「売り言葉に買い言葉だから辞める事はないし、辞めるならくそムカつく言葉を言ってきた経理課の連中でしょ?」

高坂専務が田所副編集長の言葉にそう返事をするけど、会議室ではどんな雰囲気だったんだろう?それに姫川編集長はとても怒っていたし…。

「あの、高坂専務、姫川編集長達は何処に行ったんですか?」
「兄弟喧嘩するって俺の専務室に行ったよ」
「きょ、兄弟喧嘩?!」

私が気になって高坂専務に質問をしたら、高坂専務はニコニコしながら答えるけど、兄弟喧嘩?と皆で顔を見合わせる。

ーバン!…ドン!ー

また廊下から大きい音が聞こえ、秘書の橘さんが苦笑する。

「随分ド派手に兄弟喧嘩をしているね」
「器物損壊は勘弁して欲しいねぇ」

高坂専務は苦笑して椅子の背もたれに深く体を預けるけど、また廊下からドン!っと音が聞こえてくる。

ーガタン!…ー

と音がし、橘さんがあっ…という表情をしたので橘さんは廊下に出るとあちゃあという表情になり、橘さんが高坂専務を手招きしたので高坂専務も廊下の方へ行くと、高坂専務はがっくりとする。

「あの3人、やってくれたな」
「修理代金って3人に請求するんだろ?」
「勿論。経理のおっさんにもこの兄弟喧嘩のきっかけを作ったんだから、た~くさん請求のゼロの数字を増やすよ」

高坂専務はやれやれという顔でいて、すると姫川編集長達が高坂専務の元に来た。

「終わったぞ」
「終わったってねぇ、何もあそこまですることは無くない?俺の専務室のドアをなんてことをしてくれんの?」
「俺は蹴り1回だ」
「俺も。とどめを差したのは水瀬だし」
「それまで2人が全力で蹴っていたからでしょ?俺はただドアを叩いたというか…」

姫川編集長はブスッとし、仁さんはぷいっと左に顔を向け、水瀬編集長はそんな2人に呆れている。

「とにかく!こんな兄弟喧嘩をしたんだから、修理代金をた~くさん請求するから覚悟してね」
「げっ」
「欲しい物があるから、少ない額にしてくれないと困る」
「俺だって新しく眼鏡を新調したいから嫌だよ」

高坂専務の語尾に♪のマークが付く感じで言われた3人はそれぞれの反応をし、高坂専務は少し溜め息をつく。

「そんなに反省しないなら、3人は明日は自宅謹慎ね。専務命令だよ〜」
「はぁ?何でだよ!」
「7月号の進行したいんだけど」
「も〜、その態度だからだよ!俺だって自宅謹慎は想定外だよ!!」

私達は目の前のやり取りにただただぽかんとするしかなくて、手が止まる。

「ほら、荒木はスポーツ部の皆に言うことがあるでしょ」
「ああ」

高坂専務が仁さんの背中をポンっと叩き、仁さんは会議室の中に入ってホワイトボードを背にして私達の方に向き合った。

「俺……、このスポーツ部を守りたい。そして絶対に“休刊”にしたくないから、皆で俺達の言葉を読者に届けよう」
「………はい!」

仁さんの言葉は部数会議前に言った言葉よりも本人の気持ちが込められていて、私達も力強く返事をした。

「少し水瀬達と話してくる」

仁さんはそう言い、会議室を出て行き、ドアが静かに閉めたれた。

それにしても経理のおっさん達ってなんでムカつく言葉を言ってきたのか、凄くムカつく!
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