スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
午前中も集中して仕事をし、お昼になったのでお弁当を広げて食べていると、机の上に置いたスマホが揺れたので手に取って会議室を出て、画面を確認したら葵からのメッセージだった。

『今日の同窓会はここだよ〜』

メッセージと一緒に送られてきたのは地図で、そこには四つ葉に入社した日に行われた歓迎会の会場としての居酒屋で、ここなら迷わずに行けそう。

『教えてくれてありがと!8時まで残業だから終わったら直ぐに行くよ』
『分かった〜』

葵とのやり取りを終えて、仁さんにも同窓会の場所をメッセージで伝えると『分かった。気をつけて』とシンプルな返事が来て、お泊まり保育は楽しめたかな?今度は三姉妹でお泊まり保育を実現しようっと。

会議室に戻り、またお弁当を食べ始める。

「7月号の仮印刷が終わったらさ、俺達だけで飲み会を開かない?」
「良いな。他の部署とも良いけど、スポーツ部だけって今までやったことがないし」

田所副編集長と佐藤さんが飲み会のきっかけを作り出し、他の先輩達もぱぁっと表情が明るくなる。

「前に水野と飲んだ時、こいつ強すぎて俺が潰れて水野の部屋で世話になりましたよ」
「秋山が空腹で飲むからだろ。ちゃんとバランスよく飲み食いしないと。石毛さんと高橋さんだって相当強いですから、飲み放題にしないと駄目ですよ」

水野先輩と秋山先輩は2人でよく飲みに行き、お互いの部屋で寝泊まりしたことがあるみたい。

「スポーツ部だけなら荒木編集長も来てくれるかな?」

田所副編集長はずっと仁さんが四つ葉の飲み会に来ない事に寂しがっていて、そこから私と橘さんが入社した日に行われた歓迎会の話題になる。

「いきなりドアが開いてスーツ姿の荒木編集長がいたから、女子社員達の悲鳴が凄かったですよね」
「滅多にないスーツ姿だし、俺も写真を撮っておけば良かった」

篠田先輩や秋山先輩も仁さんのスーツ姿が相当珍しかったみたいで、そう言えばファッション部の人達も写真を撮っておけば良かったって言っていたよねと、その時の会話を思い出す。

「歓迎会でファッション部の人達が荒木編集長の事を“ツチノコ”だったり、“幸運が訪れる”っていう都市伝説ぽい事を仰ってたんですけど、本当なんですか?」

私が歓迎会での出来事を話すと、先輩達は顔を見合わせて笑う。

「確か高坂専務が言い始めたって、本人から聞いたな」
「実際2階の編集部に来るのも少ないし、“ツチノコ”って言われると納得だよ」
「入社の日に初めて会った時も得体の知れ雰囲気だったけど、初めて清書をさせてもらった時は圧倒的な言葉の豊富さに驚いて、小説を読んでいるかと思ったよ」

田所副編集長や佐藤さん、中畑さんが其々仁さんの事を話し、私もシェアハウスで読ませてもらったときは本当に小説ですか?って思ったもんな。

「スポーツ部だけの飲み会なら荒木編集も参加してくれると思うし、高坂専務から頼んだら来てくれるかな?」
「そうしてみる?」

飲み会が開催されるのは決まる方向でいて、私も仁さんとはシェアハウスで過ごすことがあるけれど、実際飲んだらどんな雰囲気になるのか見てみたいな。

お昼の終わりのチャイムが鳴り、午後も先輩達と7月号に取り組み始めた。
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