スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
ムスッとしながら編集部に戻る真琴を見送り、俺は小さな溜め息を吐く。
後でシェアハウスに帰ったら有給2日分の事を話して、少し真琴の機嫌を直さないとな。
俺達も編集部に戻って仕事を再開し、高坂さんが2週間後の有給2日分を取れって事は進行のスケジュール的には大丈夫だと思うが、何が起こるか分からないし、メンバーと取り引き先とは連絡が取れる様にした方が良いので、有給についての連絡漏れが無いようにしておこう。
自分の個人企画の取材は相手からの返事待ちでー…、伊東の取材先もー…自分の手帳に細かく進行を記入していき、手帳の予定を記入する枠はほぼ仕事で埋まっていて、真琴と遠出をしたいから何とか大丈夫だと思える2日分の日付を見つけ、後は真琴次第だ。
その為には仕事を疎かにしたくないので、より仕事に集中し、メンバー達を先に上がらせて、俺もその1時間後に四つ葉の編集部を出ると階段の所で高坂さんの秘書である祐一さんとバッタリと会って、2人で階段を降りる。
「お疲れ様」
「お疲れ様。祐一さんは高坂さんが有給の時はどうするの?」
「車のメンテナンスをしたり、久しぶりにひとり時間を謳歌しようかな」
「高坂さんがいない内にしないと」
「そうだよね」
祐一さんはほぼ高坂さんと共に過ごしているから、ひとり時間を過ごす時間は限られているだろう。
1階に着くと、四つ葉のロビーにあるソファに向かい合って座った。
「仁君は?スポーツの試合を観に行くの?」
「………真琴と遠出しようかと」
俺は少し間を開けて答え、俺と真琴の関係を知る人は祐一さんと一美と三斗ぐらいだ。
「良いね。一泊とか?」
「それも良いかも」
「お泊まりなら宝条さんのご両親に挨拶をした方が良いよ」
「そう、だよな」
祐一さんが真面目にアドバイスをするけど、やはり挨拶は大事で、前回の実家に行った時は真琴との事は上司と部下として振る舞っていたけれど、きちんとすべきだよな。
「稔と一美君の初めてのお泊まりの時もさ、旅行前に君のご両親に挨拶に行くってなった日の前日はそりゃもう稔の緊張した顔が今でも覚えているよ」
「そうなんだ」
「ぶつぶつと挨拶の練習をしていたり、服装も懇意にしているファッションブランドの人に何度も相談していて、当日はお酒なんて1滴も飲まなかったって。その辺は稔らしいというか、きちんと一美君とご家族と話す空間を作るのは良いよね」
俺が知らない稔と一美との事を祐一さんは嬉しそうに話し、俺も改めて稔の振る舞いを見習おうと思った。
「祐一さん」
「ん?」
「稔って当日はどんな服装で俺の両親に会った?」
「確かファッションブランドの“S”のフォーマルなジャケットにシャツを合わせてたかな。良かったら俺もいくつか持っているし、今回は貸すよ」
「ありがとう」
「挨拶する日が決まったら、教えてね」
「ああ」
ソファから立って、四つ葉のビルを出る。
「お土産、買うから」
「良いよー…って買うだろうから、遠慮なく楽しみにしてる」
「ああ」
交差点の途中で祐一さんと別れ、俺は藍山駅から電車を使ってシェアハウスに向けて帰りだした。
ムスッとしながら編集部に戻る真琴を見送り、俺は小さな溜め息を吐く。
後でシェアハウスに帰ったら有給2日分の事を話して、少し真琴の機嫌を直さないとな。
俺達も編集部に戻って仕事を再開し、高坂さんが2週間後の有給2日分を取れって事は進行のスケジュール的には大丈夫だと思うが、何が起こるか分からないし、メンバーと取り引き先とは連絡が取れる様にした方が良いので、有給についての連絡漏れが無いようにしておこう。
自分の個人企画の取材は相手からの返事待ちでー…、伊東の取材先もー…自分の手帳に細かく進行を記入していき、手帳の予定を記入する枠はほぼ仕事で埋まっていて、真琴と遠出をしたいから何とか大丈夫だと思える2日分の日付を見つけ、後は真琴次第だ。
その為には仕事を疎かにしたくないので、より仕事に集中し、メンバー達を先に上がらせて、俺もその1時間後に四つ葉の編集部を出ると階段の所で高坂さんの秘書である祐一さんとバッタリと会って、2人で階段を降りる。
「お疲れ様」
「お疲れ様。祐一さんは高坂さんが有給の時はどうするの?」
「車のメンテナンスをしたり、久しぶりにひとり時間を謳歌しようかな」
「高坂さんがいない内にしないと」
「そうだよね」
祐一さんはほぼ高坂さんと共に過ごしているから、ひとり時間を過ごす時間は限られているだろう。
1階に着くと、四つ葉のロビーにあるソファに向かい合って座った。
「仁君は?スポーツの試合を観に行くの?」
「………真琴と遠出しようかと」
俺は少し間を開けて答え、俺と真琴の関係を知る人は祐一さんと一美と三斗ぐらいだ。
「良いね。一泊とか?」
「それも良いかも」
「お泊まりなら宝条さんのご両親に挨拶をした方が良いよ」
「そう、だよな」
祐一さんが真面目にアドバイスをするけど、やはり挨拶は大事で、前回の実家に行った時は真琴との事は上司と部下として振る舞っていたけれど、きちんとすべきだよな。
「稔と一美君の初めてのお泊まりの時もさ、旅行前に君のご両親に挨拶に行くってなった日の前日はそりゃもう稔の緊張した顔が今でも覚えているよ」
「そうなんだ」
「ぶつぶつと挨拶の練習をしていたり、服装も懇意にしているファッションブランドの人に何度も相談していて、当日はお酒なんて1滴も飲まなかったって。その辺は稔らしいというか、きちんと一美君とご家族と話す空間を作るのは良いよね」
俺が知らない稔と一美との事を祐一さんは嬉しそうに話し、俺も改めて稔の振る舞いを見習おうと思った。
「祐一さん」
「ん?」
「稔って当日はどんな服装で俺の両親に会った?」
「確かファッションブランドの“S”のフォーマルなジャケットにシャツを合わせてたかな。良かったら俺もいくつか持っているし、今回は貸すよ」
「ありがとう」
「挨拶する日が決まったら、教えてね」
「ああ」
ソファから立って、四つ葉のビルを出る。
「お土産、買うから」
「良いよー…って買うだろうから、遠慮なく楽しみにしてる」
「ああ」
交差点の途中で祐一さんと別れ、俺は藍山駅から電車を使ってシェアハウスに向けて帰りだした。