スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁

いよいよ真琴のご両親に挨拶する日になり、祐一さんが言っていたように高坂さんが緊張する気持ちが理解が出来た。

クローゼットから祐一さんに貸してもらったジャケットとパンツのセットを取り出し、白シャツではなくて今回は水色のシャツを選び、順に着替えていく。

「よし」

着替え終わって手土産とバックを持って自分の部屋を出て1階に降りてリビングに行くと、ワンピースを着た真琴が俺の姿を見て目をキラキラさせている。

「おはようございます!凄く格好いいです!!」
「ありがと」

それを言うなら真琴も可愛いし、本人はきっと自覚していないだろうな。

朝食を食べ、タクシーを手配して真琴の実家に向かい、俺は手土産を手に真琴の玄関のチャイムを鳴らすと静かにドアが開き、真琴のご両親が出迎えてくれた。

「お父さん、お母さん、ただいま」
「本日はお時間を頂きまして、ありがとうございます」
「堅苦しいご挨拶よりも、先ずは上がって下さい」

真琴のお母さんに言われ、俺達はお邪魔して和室に通され、机を挟んでお互いが向かい合って座る。

「こちらの和菓子をお二人にと思いまして、選びました」

手土産の紙袋から和菓子が入った箱を取り出し、ご両親の前に差し出すとお義父さんが受け取る。

「わざわざありがとうございます」
「やだ、お父さんったら緊張しちゃって。私まで緊張するじゃないの。もう」

真琴のお義母さんが場の空気を和らげようとし、気を遣わせてしまった。

「先日のお電話での話ですが、僕と宝条さんの事でお伝えしたい事があります」

俺は改めて話を切り出そうと、正座をして膝の上に置いてある自分の両手をギュッと握った。

「僕と宝条さんですが、先日からお付き合いをさせて頂いていまして、直ぐにご報告が出来ずに申し訳ございません」

俺達の事を伝え頭を深く下げ、向こうの反応を待つ。

「頭を上げて下さい」

お義父さんに言われ、静かに頭を上げる。

「電話を貰った時はまさかと思いましたが、本当に娘で良いんですか?まだ社会に出たばかりで、きちんと仕事も私生活も大丈夫でしょうか」
「僕は宝条さんと出会う前はきっとこのまま1人で過ごすものだと思いました。ですがー…」

俺は真琴との出会いで本人の仕事に対する意識や普段の態度などを可能な限り話していく。

「僕はこの先も宝条さんと……、“真琴”さんとでないと嫌なのでどうか見守っていただけないでしょうか」

今まで苗字で話していたが下の名前で想いを伝えると、ご両親はとても嬉しそうに微笑む。

「どうか宜しくお願いします」

真琴のお義父さんがそう言って貰えるととてもほっとするし、隣に座る真琴も笑顔でいる。

「真琴とお母さんはお茶の用意をお願い」
「うん!」
「ええ、美味しいお茶を用意するわ」

その後は4人で様々な事を話し、もう一つの本題の遠出についてを切り出そうと口を開く。

「今日のご挨拶は僕達の事と、もう一つありまして、先日無事に“休刊”が白紙になり、高坂から有給2日分を取ることが決められました」
「おぉ、“休刊”にならずに良かったです」

お義父さんは嬉しそうに微笑む。

「ありがとうございます。その2日で真琴さんと宿泊を予定しており、その許しを得たいです」
「荒木君は真面目だと言われる事はあるかい?」
「高坂からはよく言われます」
「本当に真面目だね。でもそこが君らしいと感じたし、お土産は母さんがこし餡が好きだからお願いしようかな」
「お父さんにはご飯のお供になる物かしら」
「お母さん達は少し遠慮をしなよ!」

真琴はムスッとするも、何処か嬉しそうにいて、良かった…、これで安心して2日分を真琴と過ごせそうだ。

楽しい時間はあっという間で、玄関先でご両親に見送られ、タクシーでシェアハウスに戻り、リビングに入って2人で大きなソファに座ると、緊張した身体からどっと疲れが出る。

「緊張した」
「私から見たら平気に見えましたよ?」
「次、俺の両親に会う時は真琴が緊張する番」
「う!それは…」

俺は少し拗ねた様に言うと、真琴が焦った表情になる。

「きちんと俺達の事を言えて良かったし、一緒に住んでいることはもう少し後だな」
「はい…、お父さんが1番嬉しそうにしていたのがほっとしましたけど、同居の事も言ったら倒れそうですもんね」
「俺達は特殊な出会いだったから、そこは慎重に話す」
「はい!」

俺はジャケットを脱いで大きなソファにかけて、水色のシャツのボタンを2つだけ外す。

「仁さんはいつも白シャツなんで、今日のジャケットも格好いいです」
「………真琴さ」
「はい?」
「朝も思ったけど、真琴だって可愛い」

俺がストレートに言うと真琴の顔が苺の様に真っ赤になるので、俺は右手で真琴の左頬を添えてグイッと引き寄せて唇を重ね、空いている左手で脚をゆっくり撫で回すと真琴の身体がビクッと反応する。

そしてゆっくりと大きなソファに押し倒し、真琴の唇を堪能し始めた。
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