スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
会議室の時計の時刻はもうすぐ定時となりそうだけど、ルーズリーフの紙束から具体的に内容をまとめたいし、会議室に残っても大丈夫か相談しよう。

「中畑さん、この企画書を具体的にまとめたいので残ってもよろしいでしょうか?」
「うーん、0時を超えるのは安全面で駄目だから、電車がある10時迄なら良いよ。鍵は総務課の中に入って、課長の机の上に置いて大丈夫だよ。帰りは絶対に気をつけてね」
「ありがとうございます」

中畑さんから鍵を預かり、中畑さんと先輩達は続々と会議室を出て私だけがぽつんと1人になり、シェアハウスに帰っても宿題はできるけど、帰らずに今日中に仕上げたいと思ったから頑張ろう。

先ずはテーマをこれにして、次はどんな順番で書いてみれば伝わりやすいかな?とルーズリーフを手元にノートパソコンに入力をしてるけど、文章が堅苦しい?初めて出すものだし、くだけ過ぎも良くないし、う〜、難しい。

キーボードを打っては消して、打っては消してをずっと繰り返していたらお腹が鳴っちゃった。ふと会議室の時計を見たら午後7時で、どうりでお腹が鳴るはず。

バックからお財布を取り出してチラッと予算を確認し、おにぎりと小さい飲み物なら買えるはずと思い、お財布とスマホとバックと鍵を持って会議室を出て階段を降りて四つ葉出版社を出て、コンビニを目指して歩く。

「お腹にたまりそうな具材はこれにして、飲み物はこのパックで大丈夫かな」
「宝条さんはこんな時間にどうしたの?」

コンビニでおにぎりと飲み物を選んでたら、水瀬編集長に声をかけられた。

「会議室で荒木編集長からの宿題を取り組んでいて、お腹がすいちゃって買いに来ました」
「他のメンバーも会議室にいるの?」
「いいえ、今日は定時であがっていいと荒木編集長が仰ってましたので先輩達は居なくて、今は会議室に私1人で居ます」

バカ正直に答えると、水瀬編集長は心配そうな表情をする。

「本当に1人で平気?」
「大丈夫です。この宿題、どうしても今日中に仕上げたいんです」
「分かった。俺も残業で2階にいるし、何かあれば遠慮なく言ってね。帰りは電車を絶対に使うんだよ」
「はい、ありがとうございます」

水瀬編集長はそれじゃあと手を振り、コンビニの袋を片手にさげて出口から出ていったので私もお会計の列に並び、お会計を済ませて出口から出たら、水瀬編集長はコンビニの近くでスマホで電話をしている。

私はペコっと頭を下げると、水瀬編集長は私に向けて手を振りニコリと微笑み、また電話を続けていたので私は四つ葉出版社に戻り、階段をあがって会議室に向かい、中に入って席に座っておにぎりを頬張り始め、飲み物で水分補給をし、ゴミを片付けて、また企画書に取り組んだ。

暫くして会議室の時計を見ると午後8時30分でまだシェアハウスに帰るまで電車の時間があるし、このまま会議室にいようっと。

読者の年齢層がこうだからどれくらいの読者を増やせそうか、アンケートの声によってこれだったら注目を呼ぶ?と思考を巡らせていくと、会議室のドアが開いて荒木さんがバックを手にしながら入ってきて、つかつかと近づいて私の側で立ち止まる。

「どうしてシェアハウスに帰らなかったの?」
「どうしても今日中に宿題を仕上げたくて、残りました」
「今日中にやれるの?」
「やります!」

まっすぐに見上げて伝えると、荒木さんは上座の席に座ってバックから紙束を出した。

「手が止まってるけど」
「今、やるところです!」

直ぐノートパソコンのキーボードに手を置いて、企画書の1枚目の中段辺りの入力を始め、私が読者に伝えたいことはこれで、それにはこうした内容でアプローチをしてみたくて、こう言う言葉で書けばどうかなと黙々と打ち込む。
< 49 / 217 >

この作品をシェア

pagetop