スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◆スポーツ部の“社会科見学”
「本当にここが集合場所で合ってる?」
「高坂専務が指定したので間違いが無いはずですが、俺も疑ってます」

田所副編集長と中畑さんの会話にスポーツ部の取材班と製作班、皆で白くて大きいドーム型の野球施設を見上げる。

そう、私たちは都内にある白くて大きいドーム型の野球施設にいて、何故私たちがここにいるのかは大型連休に入る前日のことだった。

いつものように3階の会議室で荒木さんもいる中で6月号について話しをしていたところ、突然会議室のドアが開いて高坂専務が入ってきて、つかつかとホワイトボードの側にきて、5月のGWの最終日の箇所に赤ペンで“社会科見学”と書き、此方に振り返った。

「と、言うことでこの日にスポーツ部全員で“社会科見学”をするよ」

と、言うことでとは?!と全員で高坂専務を見つめるけど、本人はすっごくにこにこしている。

「俺が言った3か月のノルマをクリアするのは大事だけど、英気を養うためもあるし。場所は都内の野球施設の◯◯で、時間は午前11時に時間厳守だよ。それじゃあ、楽しみにしててね〜」

高坂専務が手をひらひらさせて会議室を出てドアが閉まると、荒木さんは物凄く深く溜め息を吐き、ホワイトボードに顔を向ける。

「あの感じだと拒否権は無いから、行くしかない」
「でもその日は荒木編集長は取材になってますよ?」

荒木さんの言葉に進行スケジュールを担当している中畑さんがそう言い、確かに“社会科見学”と書かれている日付に貼ってある付箋には荒木さんが取材することが記されている。

「同じ野球施設だし、終わったら合流する。さっきの6月号の話だけどー…」

切り替えが早っと思いつつ、当日を迎え、指定された場所の周囲はGW中の最終日であっても人が多いなと見ていたら、行き交う人々の流れの中から私服姿の高坂専務の姿が見えて此方に歩いてきた。

「時間厳守、偉い、偉い」

高坂専務の私服は薄いピンクのシャツにインナーは白く、シャツの袖を捲っていて、下はベージュだけど全身がシンプルなのにお洒落で清潔もある。

「荒木は取材が終わり次第、俺が予約した席で落ち合うから、先ずは受付をするからこっちに行くよ」

高坂専務の後にぞろぞろと続いて歩き、大きな階段を中腹まで登り、とても高級感がある入り口にたどり着いた。

警備員や係員の制服もビシッとしているし、私たちは手荷物検査をして名前を告げて中に入ると、ここはホテルのロビーですか?というくらい高級感が漂っている。

すると、仕立ての良いスーツ姿の男性が高坂専務の側に来た。

「高坂様、お待ちしておりました。予約席にご案内します」
「忙しい中、ありがとう。今日はプライベートだし、思う存分に楽しむよ」
「どうぞ此方へ」
「皆も行くよ」

スーツ姿の男性を筆頭に廊下を歩き、重厚なドアの前につくと、男性はゆっくりとドアを開けた。
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