スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
皆に休刊について話した日の帰り道、1人に慣れすぎてシェアハウスに帰るのはどうってことがない筈なのに今は足取りが重いな…、はぁっと小さな溜め息をついて玄関に入ると宝条さんの靴があり、リビングに入るとテレビを見ていて、普通な感じに見えるけどどうなんだろ。

お風呂場に行ってシャワーで身体を洗い、着替えてタオルで頭を拭きながらリビングに入り、俺が出した企画書の進捗を聞くも曖昧で、少しキツくは言ったけど、自分で言った言葉に行動を伴って欲しいから敢えて厳しく言い、改めて休刊の事を謝罪して頭を下げた。

どんな事が言われるか分からないけど、宝条さんは俺のそばに来て思いを述べながらタオルを掴んで俺の頭をくしゃくしゃする。

「休刊かもと言われた時、泣くのを我慢しました」
「………ごめん」

休刊の事はやっぱショックだよな、会議室で宝条さんが泣くのを我慢していたのは分かっていたのに、その場で何も出来なかった自分が凄く情けない。

そして宝条さんが『俺の傍で書きたい』という言葉に心が強く揺さぶられ、これ以上触れられたら“抱きしめたい”感情が溢れそうで自制する為に宝条さんの腕をガシッと掴み、顔を上げるとタオルの隙間からお互いの視線が合い、まだ出会ってからほんの少ししか経ってなー…。

…ぐぅ~…至近距離で聞こえた宝条さんの空腹の音に、音を出した張本人は顔を赤くし、キッチンで炒り玉子を作るって言うから、礼を伝え、作ってる姿をリビングから見守る。

お腹の音が鳴るなんて小説ではあまり無い展開だし、張り詰めた空気が少し緩和されたし、助かったは助かったけど。

作ってもらった炒り玉子を2人でキッチンのコンロで食べ始め、宝条さんは一美のことを持ち上げてるけど、本当に調子に乗る一美が浮かんだので言うのをやめるように伝えた。

ちらっと宝条さんを見たら、唇の左端にケチャップが付いていて、ティッシュを取りにいくのも面倒だし拭う方が早いと感じたから、俺の右手で宝条さんの顎をクイッと上に向かせて、親指でケチャップを拭い、そのまま吸い舐めてスプーンを洗うけど、宝条さんは固まっている。

面白い反応するなと思いながらリビングを出て、階段を登り、自分の部屋に入ってベットにドサッと横になって瞼を閉じて浮かぶのは、高坂さん、スポーツ部の皆、宝条さんの顔で、何としてでも“守ってみせる”と強く決めたのだった。
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