スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
6月号に向けて写真の取り扱い方を学び、次は原稿に差し込む方法や、画像の加工、広告の取り扱い方を順に教えて貰い、製作班用に作ったメモ帳の中身は半分以上が埋まってきた。

「田所さんがこの記事に使いたい写真はこれが良いと指定したから、大きさはこの位で調整して、文字は色の濃さと大きさをこのボタンと画面で操作して、OKボタンを押してご覧」

山田先輩の言う順番で押したら田所副編集長が指定したゴールキーパーがボールを弾くために斜め上に飛んでいる写真が原稿の下の位置に表示され、文字も読みやすくなっている。

「どう?」
「とても読みやすいです」
「でしょ?」

山田先輩のドヤ顔に微笑ましくなる。

「他の写真も見てみる?」
「過去に読者アンケートで人気だった写真も見れますか?」
「確か創刊時期だと高坂専務が撮ったこの写真で…、あった、このテニスの写真で、3年だと荒木編集長のこの写真で…、8年は三輪さんが撮った野球かな。この選手がホームランを打った瞬間を捉えたものだよ」

見せてくれたのは、打者がバットでボールを打つ瞬間とそれに対して捕手が明らかに打たれたと表情で表していて呆然としている姿で、こんなアングルなんて見たこともない。

「この頃から写真を提供してもらえるようになったんだ」
「こんなアングルを撮れるのが凄いとしか言えないです」
「そうだよね。いつか撮影方法とか教わりたいな」

今まで雑誌もだけどスポーツに関わる事が無縁だったから、触れる度に1つ1つが新鮮で、この写真という部分も“Scoperta”を支えている大事な物だよね。

自分の企画に写真を掲載するなら、どんなシチュエーションで撮ろうか、期待に胸が膨らむ。

「原稿に写真を差し込んだら1度編集部のプリンターで印刷して、文字とのバランスを確認するんだ。インクの補充方法はプリンターのインクを入れる所に説明書きがあって、インクの補充自体がなくなったら在庫室に取りに行けば大丈夫」

なるほど…、インクの補充自体は在庫室に行くっと。

「お昼になるし、午後は実際に取材班とどの写真を使うかやり取りの仕方と差し込みまでやってみよう」
「分かりました!」

お昼時間になり、会議室にいるのは疎らで、私は今日もお弁当を広げ、久しぶりにブロッコリーを食べたり、卵焼きを頬張り、ふりかけをかけたご飯を食べていく。

「もうすぐお給料日だから、久しぶりにカメラを買うんです」
「欲しがっていた一眼?」
「はい、やっとこれだ!ってカメラに出会えたから、凄くお金を貯めました」

おにぎり片手に山田先輩がカメラを買うとのことで、栄養ドリンクを片手に飲む中畑さんと話をしていて、いいなぁ、今日は写真の事を学んだからカメラに対して憧れが強くなる。

「三輪さんのカメラには負けるかもしれないけど、プライベート用で買いますがカメラ本体を選ぶのに時間がかかりました」
「時間はかかるよ。荒木編集長もカメラは相当時間をかけたって言っていたし」

荒木さんのカメラか…、うーん、どんなカメラかな?
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