夫婦ですが何か?Ⅱ





特に外出予定のない今日。


彼もいなければ確実にほとんどが家の中であろうと、特別身なりの良い服は着ず。


ローテーション化している服の一着を適当に纏うと欠伸を一つ。


そして視力の悪い目を洒落っ気もない眼鏡で補うと体が求めるカフェインを摂るべくキッチンを目的とし歩きだした。


ここまで来てようやくまともな足取り。


それでも違和感残る部位に苦笑いを浮かべ、淹れたてコーヒーを口に含みながら置きっぱなしだった携帯に手を伸ばした。



「あっ・・・」



と、声を漏らし眉根を寄せたのは真っ暗な画面のまま作動しない携帯に。


完璧に充電が切れていたと地味な失態に溜め息をつき充電し始める。


こんな凡ミス仕事をしている時はしなかったのになぁ。


常に連絡が取れる事を必要としていた時間。


絶対に切らすことのなかった充電。



「腑抜けたなぁ・・・」



ぽつりと緊張感なくした自分の現状を零すと、落胆もするのにこれも悪くないと思う自分。


それだけこの生活に染まっているという事。


自然に夫婦をして家族をしている。


その事実には素直に口の端を上げて、ここ数日の揉め事も関係深まったが故の衝突だと、納得すると今の仕事である主婦業に戻ろうと動き出す。


掃除をして洗濯をして、途中起きた翠姫にご飯を上げて。


そうこうしている間に時間も過ぎ去り時計を確認した時にはすでに10時半を回ってあと20分ほどで11時だ。


さて、彼はいつごろ目安に帰ってくるつもりなのか。


メモに記載されていた予定では昼頃とあったけれど昼ご飯はどうするつもりなのか。


パン屋でも行こうかと予定していて彼の予定次第でその量も変わってくる。


一度確認しておこうと充電し放置していた携帯に手を伸ばすと、履歴からその名前を拾い上げてすぐに耳に当てる。


無機質なコール音が数回。


いつもならこの辺で出る彼なのにまったく変わらないコール音に溜め息をついて一度着信を切った。


気付いていないのか、それとも出れない状況だったのか。


もし、かけ直せる状況であればすぐに折り返してくる彼。


それでも無を継続する携帯に溜め息をついた瞬間に、遅れて反応見せた携帯の画面を慌てて確認した。


でも・・・。


残念・・・。



「・・・・・はい、」


『あ、千麻ぁ?あんた朝電話つながらなかったわよ?』


「・・・充電切れてたのよ。で?何?お母さん」



頭を抱えながら眉根を寄せての応答だと知れたら・・・この母は機嫌を損ねるだろうな。と、小さく思う。


< 135 / 574 >

この作品をシェア

pagetop