夫婦ですが何か?Ⅱ
依存して、こうして馬鹿みたいにその姿を思い浮かべて感傷に浸って。
ついさっき声を聞いたというのに落ち着かなくて。
充分に布団は役割果たして温もりを与えてくれるのに。
少し・・・・物足りない。
まったく下りたがらない目蓋を無理矢理閉じて、布団を首元まで引き上げると不動になる。
少しでも早く夢の世界に落ち込める様に。
それでもいつまでも神経研ぎ澄まされた耳に時計の針の音まで鮮明で、まったく眠れる気配のない自分に困ったように眉尻を下げ口の端を上げた瞬間。
耳に入りこんだ時計の針以外の機械音。
唸るように振動したのは枕元の携帯で、振動短く数回で途切れたそれはメールだろうと推測して手さぐりで目の前までそれを引き下ろす。
まぁ、相手は何となく予測はついている。
こんな時間だ、私が起きているだろうと確信めいた予測でメールなんてしてくるのはただ一人。
彼しかいないのだ。
案の定新着メールの横に表示された【副社長】の文字。
もう副社長ではないのだけども。と、捉えた瞬間に小さく笑って、こんな時間、更にいえば電話した直後の連絡網は何だろうと内容確認。
そうして確認した内容に乾いた笑いを零して携帯を握った手で顔を覆って息を吐いた。
「・・・・馬鹿、」
Title 猥褻メール♡
From 副社長
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今、ベッドの中で千麻ちゃん抱きしめたよ。
「おやすみ・・・千麻ちゃん」
想像容易いでしょ?
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さっきの想像ゲームの延長。
でも瞬時に気がつくのが彼も今似たような心情抱いてベッドにいたのだろうという事。
だからこそこんなメールをわざわざ送ってきたのだ。
何なんだか・・・。
「フッ・・ハハッ・・」
小さく笑い声を漏らし息を吐いて、一瞬の不動の後に携帯の画面を見つめて文章作製。
なんて浮れた夫婦だろう。と呆れているのに楽しくもあって。
本当に・・・。
あなたといれば恐いものなんて何もないって感じてしまうくらい馬鹿になってるわ。
Title ウザいです。
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怨念かけるのやめてください。
でも・・・、
愛してるわ、ダーリン。
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最後のは私の怨念。
素直な愛情表現に弱いあなたへの心ばかりの意地悪なのよ。
そんな言葉を心の内でつぶやいて、送信を終えると布団に腕を収納していく。