夫婦ですが何か?Ⅱ





その間も肌に触れながら服を捲りあげようとし、首元に唇で触れながら悪意を弾き始める。



「気に入らなかった・・・、あんなガキのくせに・・・・、人の目を引いて・・・ちやほやされて・・・・」


「・・・・」


「こっちが・・・必死に働いて働いて・・・やっとこの部屋に住んでるってのに・・・・・親のすねかじりで会社の重役?・・・ハッ・・・・実力もない癖に・・・・」


「・・・っ・・・」


「不公平だろ・・・必死になって働いてる俺が手に入らないものをあんなただの子供が何もせずに持ってるなんてっ!」



だから・・・


あなたみたいな人間が、


被害妄想ばかり膨らませ本当の現実なんて知らない奴が、


知ったかぶって決めつけて偉そうなことを語るのが私は死ぬほど嫌いなんですよ!!


ましてや・・・・、



「・・・るな・・・」


「・・・・えっ?」



冷静さがプツリと音を立てて切れたのを感じる。


抵抗の手を緩め、その代わり不動になり響かせた声にさすがに疑問感じたらしい男が反応を示す。


もう・・・刺激しない。とか、・・・・どうでもいい。


と、言うより我慢が出来ない。


私の不動にさっきあんなに抵抗しても離れなかった体が僅かに隙間を開け、顔を確認するように見下ろしてきた男をこれ以上ないくらい睨み上げる。


勝るのは恐怖以上に憤り。


馬鹿みたいだけれど私の導火線は彼に関しての誹謗中傷に対してだけ極端に短いらしい。



「馬鹿にするな・・・」


「・・・・な・・」


「あなたの実力不足を被害妄想で擁護して、何も知らない彼を馬鹿にするなっ!!」


「っ・・・実力・・不足?」


「本当に評価される実力ならいくらでもこのマンションの上階に住めるくらいの収入があるでしょうよ。それが叶わないのは誰のせいでもなく自分のせいです!!」


「煩いっ!!」



こういう人ほど・・・追い詰められると言語能力を失う。


返す言葉が瞬間的に思い浮かばないからそれを力で誤魔化し、反則にもそれでねじ伏せようとしてくるんだ。


まさに今そんな流れで振り下ろされた手で殴られた頬がひりひりと痛んで。


殴られた瞬間だけは驚愕もしたけれど、すぐに冷めた憤りの眼差しで乱れた髪の隙間から睨み上げる。


こういう男は力に屈服したような表情を期待しての暴行を行うから、それに反した表情をすればだいたい予想外だと心は怯むんだ。


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