夫婦ですが何か?Ⅱ





決して傷痕に触らぬように静かに跨いで彼の上に座る。


呆れたような、困ったような、そんな表情で苦笑いを浮かべても本気で邪険にするような事はない彼。


あーあ、と言いたげに口の端を上げた顔を両頬で包み込みグリーンアイを僅かに上から見下ろすと口の端を上げる。



「満足ですか?可愛い奥様・・・」


「・・・・・ダーリン、」


「ん~?」


「・・・・・無自覚な妻で・・・申し訳ありませんでした」


「フフッ・・・・分かった?『無自覚は罪』だって」


「・・・・あんな・・・不可抗力で犯人の一方的被害妄想の的になるなんて思ってもみませんでした」


「すべては千麻ちゃんが魅力的すぎるクールビューティなせいですよ」


「どうしましょう?100均でひげ眼鏡でも買ってきて装着して歩きましょうか?」



軽く本気で顎に手を添えながら提案し首を傾げれば、一瞬呆然とした彼が言葉の内容を理解してすぐに噴き出し直後に痛んだであろう腹部を押さえた。



「フハッ・・だから笑わさないでよ!?」


「いや、至って真面目に・・・馬やス〇リームのお面よりはマシでは?」


「そんなコスするならもっとお色気な物が物がお好みだよ俺、」



言いながら私の谷間と言えない谷間を人差し指でなぞる彼に、呆れた非難の表情で見下ろし頬をつねる。



「目的の意図が違うじゃないですか」


「いいじゃん。あ、ナースコスは?俺怪我人だしお世話してくれてもいいよ~?夜に」


「・・・・分かりました。・・・コスプレ・・・して差し上げようじゃないですか」


「えっ!?マジに!?」


「ここは恥を捨て、全力でなりきりましょう。

・・・・秘書コスに」


「うわぁ・・・何だろう全然浮れない上に想像容易いんだけど」


「安心してください。秘書コスであるなら衣装が山のようにクローゼットに、」


「それってもはやコスプレじゃないよね?」


「我儘ですねぇ、仕方ないので眼鏡もプラスで、」


「普通に視力悪いだけじゃんよ。ってかむしろアルバム捲れば私服の千麻ちゃんより秘書スタイルの写真豊富だと思うんですけど」



あくまでも過去のスタイルをコスプレとして示し彼をからかえば、もういい。と言いたげに眉尻下げて溜め息を漏らす。


そんな姿にも愛着感じクスリと笑うと彼の耳元に唇を寄せた。




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