夫婦ですが何か?Ⅱ


「俺の面倒で厄介な嫉妬癖を嫌って程理解して、それに対しても普段なら怠る事なく配慮する千麻ちゃんがだ。滅多にしないうっかりをしてしまうほどその元彼に意識置いて俺とこうして向き合ってた事が腹立つんだよね」


「成程・・・・私にはうっかりなんて隙は許さず、夫婦だろうとあなたの傍では常に緊張し気を張りながら会話をしろと?時代錯誤の亭主関白な風を吹かせたいと・・・・そういう事ですか?」


「本当に【ああ言えばこう言う】・・・、揚げ足取って肝心な内容から静かに話題逸らしてる様だけど?」


「そうですか?ああ・・・なら、・・・・あなたが納得し不満の声を上げにくい返答をして差し上げましょうか?」


「是非、」



彼の皮肉ったらしい言葉に押されることなく皮肉を返し、それに更に憤り浮かべる姿に後攻。


ニッと微笑み不機嫌なグリーンアイをじっと見つめる。


負けるもんかと意思表示し今現在は鋭く光るグリーンアイ。



「・・・・・夫婦になりたい」


「・・・・」


「子供が欲しい、」


「・・・・」


「・・・・と、思って一緒にいたのはあなたが最初、」


「っ・・・」


「で、・・・一生最後よダーリン?」


「っーーーー狡っ・・・」


「そして貪欲にも私、まだ幸せ家族計画の中に出産項目存在してますから」



はい、


勝利。


何だかんだで話題を上手く逸らしての言いくるめなのに、彼にとっては効果絶大だった私の言葉。


見る見る揺れ動いていったグリーンアイに噴き出しそうになったのをよく堪えたと思う。


フフンと笑ってグラスを口元に氷を鳴らすと、しばらく返す言葉を探して悶絶していたらしい彼がとうとう息を吐く。


ああ、これは・・・。



「悔しい・・・」


「そうですか、」


「絶対に論点誤魔化されてるのに、俺の純な恋心が意思に反して歓喜しちゃってて悪意の反撃が思いつかない・・・」


「ふふっ、なら・・・終戦でいいじゃないですか。外で飲むことも久しぶりなんです。わざわざ事を荒立てても面白くないでしょう?」



今度は嫌味なくニッと口の端を上げて酒の瓶を爪で弾いて飲もうと誘う。


そう、つまらない事だ。


もう近くに存在もしない過去の姿を持ちだして揉めて何がどうなるというのか。


私の言葉や態度の緩和に彼も呑まれて力の抜けた笑みを浮かべる。


その笑みの語る物は【終戦】


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