夫婦ですが何か?Ⅱ
「・・・・で?・・・その幸せ家族計画の中にはあと何人枠があるの?」
クスリと笑って私の言葉を引用する彼に、考え込むように視線を泳がせ最後に翠姫を見つめる。
「経済力次第かと?でも・・・・男の子も一人は欲しいですね」
「いいねぇ、一姫二太郎~・・・三・・なすび??」
「茄子は産めません・・・・それは初夢で見るといい一富士二鷹三茄子では?」
「それだね。語呂が似ててつい」
「まぁ、無事に生まれてくれればどちらでも可愛いんですが、」
「俺は千麻ちゃんとの子ならどっちでも可愛いですよ~」
「・・・・・・狡いですね」
「フフッ、・・・そう?」
狡いでしょう。
さりげなく微々たる隙に爆弾を投げ込んだ癖に。
致命傷になるような火傷ではないけれど小さく焼き付くような印象の言葉をワザと投げて反応を窺った癖に。
でもそれを知っているから表情には出しませんけどね。
あなたの見え透いた罠にかかった素振りを見せて喜ばせるような女じゃないんですよ。
まぁ、あなたも・・・、そんな私を理解しているんでしょうけど。
だから私がいくら無表情で呆れた視線を送っても、内の本心を読み取っているから彼は楽し気に笑って見せる。
頬杖ついてニッと笑う悪戯な姿は成長しても変わらない。
その姿を見て瞬時によぎった未来予想図。
それも・・・気の早い。
実現するかも不確定な。
ああ、そうね、男の子なら・・・。
「・・・・こんな風に笑うんでしょうね」
「ん?何々?」
「いえ、・・・そろそろ帰りましょうか?翠姫も眠そうですし」
不意に頭に描いた理想を特別彼に漏らすことなく、話題を終幕させると腕の中で微睡んでいた翠姫に視線を落とした。
確かな存在。
私と彼の確かな繋がり。
成長を重ねる度に定まってくる顔はどちらともつかない、半々の物である気がする。
それでも確かに彼譲りだと言えるグリーンアイは綺麗で愛らしくて羨望もする。
羨ましい。
「2人目も・・・グリーンアイでしょうか?」
「ん~?どうだろうねぇ。それこそこれは遺伝子の悪戯だし、必ず遺伝するものじゃない」
「そう・・・ですよね・・・」
「なんか・・・落ち込んでる?」
「落ち込んでいるわけでは・・・」
そう、落ち込んでいるわけじゃない。
ただ、多少それに期待するものがあって、それでも思惑通りに行かないと再確認しただけ。