夫婦ですが何か?Ⅱ


「・・・なんか同情されてます?」


「うん・・・まぁ・・・なんか・・・、はずれくじを引いて・・・」


「別に当たりとも外れとも思っていませんが。・・・世の乙女の皆様が憧れるような初体験ではなかった事は確かです」


「何で・・・何で、そういう男とつきあってたかなぁ・・・」


「・・・・流れ?・・・それこそ成行きでしょうか、」



恭司との事の始まりを思い返してもやはり成行きだと思う。


回想したそれをさらりと述べればさっきから同情的表情継続の彼が痛々しいものを見るかのように見つめてきて。


そんなに自分の初体験が他者からは異例の事だったのかと首を傾げる。


私自身は特別嬉しくも悲しくもない、【交際】するというジャンルの中のもれなく付属する行為なだけだったのに。


価値観の違いか、どうも彼的にはそんな私を慰めるかのように引き寄せ子供にするように頭を撫でてくるからどうしたものか。


でも自分の価値観を語るのも面倒だと、されるがままに彼の寵愛を黙って受け流していれば。



「まぁ、それでも千麻ちゃんの初恋だったわけだもんねぇ・・・」


「・・・・・どうでしょう?」


「・・・・えっ?あ、そか、別に初彼だから初恋でもないか・・・あいつより先に好きな男くらいいたか」


「・・・・・」


「・・・・・・何その無言、」


「いや・・・価値観の相違を・・・」


「・・・・ねぇ、初恋に対しての価値観の相違って滅多にないよね?」



どういう事?


ようやく哀れみが消えたかと思えば今度は困惑に満ちた表情で私を覗き込む彼に、どう返答していいのか考え物だ。


結局面倒な自分の価値観を語るしかないような場面が巡ってきた事に深く溜め息をつくと渋々彼の目に視線を絡める。


相変わらず『説明しろ』と訴える眼差し。


面倒な・・・。



「・・・・だから・・・恭司とは成行きで・・・」


「うん、それは聞いた」


「基本・・・恋愛に興味薄かったんですよ私」


「それは昨夜聞いた」


「・・・・です、」


「全然説明されてないけど!?」


「っ・・・ああっ、もうっ!!面倒ですね!!」


「逆切れぇ!?」



だって、


だって本当に説明したところで絶対に理解して納得できるような恋愛観じゃないですよ?


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