夫婦ですが何か?Ⅱ





そうして捉えるのは壁にその身を預け、不満なのか呆れなのか眉を寄せ腕を組んでこちらを見つめる姿で。


畏怖する程の物ではない不満の意思表示。


それを冷静に見つめてから『はい、』と的外れにも返事を響かせれば彼の深い溜め息が落とされる。



「なんだか昨日から意識が四方八方に散ってない?」


「まぁ・・・気がつけばあなたに類似するような厄介な隣人に囲まれてましたから・・・」


「何?また・・新崎?あいつが気になってるの?」


「ああ・・・、その問題もありましたね・・・」


「その問題って・・・、じゃあ考えてるのは別の問題ってわけだ?」


「・・・・・ええ、まぁ・・・、幽霊住人な彼女の事とか?ト〇ロ的な彼女の事とか・・・」


「・・・・何の嫌味でしょうか?」



あえて触れてほしくない住人を引き出して問題を濁せば、面白い程不満明確な笑みで非難してくる姿。


自分だって触れられたくないことの一つや二つあるくせに。


そう思えどやはり匂わせてみようかと集中拡散した内容の中に悩みの渦中の名前を忍ばせ響かせた。



「・・・・・・隣の・・・榊さんの事・・とか、」


「あいつに何かされた!?」


「・・・えらく早く勢いのある反応でしたね。・・・まるでそうあるのが必然の様に、」


「いや・・・、ほら・・そうだったら嫌だなぁって、いつもの独占欲ですけど?」


「・・・・・・・別に・・・何もないです」


「ちょっ、すっごくあっさりバッサリ切らないで。会話続けにくいじゃん!?」


「つまりは・・・続ける気がないとご理解いただければありがたいのですが?」



静かに念を押すように微笑んでみる。


当然好意的でない嫌味な物だったと思う。


それに気付かぬ鈍さでもない彼が、グッと押し黙ると不満げに眉根を寄せ顔を背けた。


ああ、何だろう。


結局、こうなるのが私達の必然な気もする。


一つ、些細でも秘め事を作るとそれが見事に波紋の如く広まって、クルクル回っていた歯車が軋みだす。


ギシギシ・・・・不協和音。


別に隠すほどの事でもなかったのにどうして私も榊に対する疑惑を彼に伏せたのか。


こんな居心地悪い空気まで創り出して。


そんな利益もない秘め事の元凶や理由を探ればフッと気がつく。


ああ、これは・・・・やはり嫉妬や嫌がらせなのか?


私に微々たる物でも秘め事を作っている彼への。


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