夫婦ですが何か?Ⅱ





当然だ。


当然の反応だ。


彼にこんな態度を取らせたのは私。


苛立っていたとはいえ、・・・本心でなかったとはいえ、最低な事を言ったと分かっている。


彼が私を愛していないような事を、裏切る疑いをかけているような事を口にした。


おかしい。


言いたい事は・・・不安に感じていた事はそういう事じゃなくて。


ただ・・・・、私はただ・・・・、


自分の居場所が狭くなっていることが恐くて。


簡単にその場所を入れ替えられるんじゃないかって事が不安で・・・。


それをいとも簡単にやってのけてしまいそうな彼女だから。


私の小さなプライドを打ち崩せるくらいあなたという人を知っている彼女だから。


取られる?


・・・・・・・・・絶対に・・・嫌・・。



嫌だ・・・。





「っ・・・」



私と言う人間はつくづく弱く、馬鹿みたいに過剰反応して取り乱す。


・・・・彼の失望の言葉や態度には。


普段突っぱねた態度で彼をあしらう癖に、本気で彼が見放した様な態度を取ると急に不安になって衝動的にそれを取り繕うと行動してしまう。


今もまさに焦燥感働き突発的に体を動かし膝立になって。


その激しいスプリングの揺れでさすがに怪訝な表情で彼がこちらを向いて・・・・驚愕。



「っ・・・何・・」


「・・・・嘘です、」


「・・はっ?・・・えっ?」



不愉快もそっちのけ。


突如の私の奇行に見事表情を驚愕一色に染めた彼が私を見上げて困惑している。


それもその筈。


彼が振り返って目の当たりにしたのは、丁度私が来ていたパーカーを勢いのまま脱ぎすてていた瞬間で。


彼も知っての通り就寝時には胸を圧迫するような下着はつけていない私。


今も一枚脱ぎすてれば素肌を晒し、多分彼から見た表情は眉根は寄っているのに眉尻は下がっているという動揺露わの平常でない私の表情。


実際・・・心情ももうコントロール不能な程ブレブレだ。



「・・・っ・・・します、」


「はっ?ちょっ・・・・千麻ちゃん!?」


「大丈夫です。・・・・ちゃんと出来ますから」


「いや・・・違っ・・・」


「・・っ・・します・・から・・・」


「だからっ・・・っ・・千麻っ!」



愚かしい自分の行動。


焦って、焦って、そんな頭で弾きだされたのがこんな方法で。


取られたくない。


そう思った瞬間に自分が拒んだ行為で彼の気持ちを惹きつけようとして・・・・。


なんて馬鹿な女だと冷静に引き戻したのは、強引に見下ろした彼の牽制の声と眼差し。



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