夫婦ですが何か?Ⅱ
Side 茜
「・・・はぁ・・・・可愛そうな千麻ちゃん、」
「っ・・・」
「目の前で熱い抱擁されて、キスされて、自分の作った食事を無下に・・・・、揚句『今も大好き』だと宣言されて。
・・・・バツ2かぁ・・・」
「不吉な事遠い目で言うなよぉぉぉ!!」
現状一人では迷走すると、駆け込み寺のように雛華の部屋に押しかけ人生相談。
またか。と呆れ交じりの仕事の片手間で俺の現状把握した雛華が、考えたくもない不吉な予言をほのめかして遠くを見つめて。
「でも、まぁ・・茜ちゃんの迷走も分からなくもないね。俺も男だし複雑な乙女心なんて分からないし。『紅ちゃんに嫉妬する』『でも、追いだしてほしいんじゃない』『謝ってほしくもない』そこまで言われたらどうしていいのか分からないね」
「ひーたん・・・そうなんだよ。分かってくれる?」
「じゃあ、どうしたいんだよ?とは思っちゃうね。紅ちゃんを断絶するのも違うと思うし。・・・・そもそも、何で紅ちゃんにそこまで劣等感抱くんだろう?」
「それ、そこだよ。俺もよく分かんなくて・・・」
「まぁ、女の子って思いもしないところに重点置いて悩むからなぁ。体系とかさ、別に痩せてるほうが好きなんて言ってないのに、先入観や劣等感で思いこんじゃってたり、」
「ああ、胸のサイズとか?」
「俺は程よく揉める感じが好き」
「俺は千麻ちゃんであるなら何でも」
「・・・セクハラな私情会議は勤務外にお願いしますね。まぁ、程よく楽しんで聞いているので厳重注意とは言いませんが」
うっかり論点ずれてお互いの性的な好みにずれ込み始めた瞬間に、すかさず入りこんだ嫌味な声音と言葉の響き。
当然その姿が近くにいた事は理解していたけれど、不満げに振り返り睨みをきかして。
そんな視線に動じない男は更に嫌味に笑みを強める。
秘書・恭司。
「ちなみに、私は体系よりも教育性があるかどうかか優先事項です」
「調教性の間違いだろ?」
「調教とは違うんですよ。屈してほしいのとは違うんです。対等に張りあってくれる相手と言うか・・・それこそ千麻がいい例ですね」
「おい、人の奥さん引き合いに出して過去の時間回想するのやめろ」
「フッ・・・でも、千麻の悩みも結局のところは単純にそんな物だと思いますけどね」
記憶の回想であっても彼女のそんな姿を他者に見られたくないというのは愚かなのか。
それでも独占欲明確に食って返せば、嫌味に軽く嘲笑漏らした男の一言に意識が留まる。