勝手に古今和歌集
「サトシー、帰ろ~」





あたしはチャイムとともに立ち上がり、満面の笑みでサトシに向かって手を振った。




犬飼くんの視線を斜め下からひしひしと感じながら。





「お、おぅ……帰るか」





微妙な顔で頷くサトシの腕をとって、あたしは教室から出た。





「クレープとか食べて帰りたいな~♡」





限りなくゼロに近い甘えテクを絞り出して、あたしは小首を傾げてみたりする。





………見てる見てる。



見てるぞ、犬飼くんが。




さあ、そろそろ分かってくれたでしょう。




あたしは犬飼くんなんて―――





< 18 / 93 >

この作品をシェア

pagetop