勝手に古今和歌集
あたしの驚愕をよそに、犬飼くんは頬をぽっと赤くしながら、三毛猫をぎゅうぎゅう抱きしめる。






「なんだー、そうなの?


俺、勇気だして思い切って告白したのに、夏木さん変な顔して何も言ってくれなかったからさぁ、俺てっきり、やっぱ脈ないのかなぁ、なんてへこんでたのに」






「………ちょっとちょっと、待ってよ犬飼くん。

あなたがいつ私に告白しました?」







あたしが冷や汗を垂らしながら確認するように言うと、犬飼くんは驚いたように目を見開いた。







「えっ、だから先週、古典で夢の話が出たときに………」






「うんうん」





「俺の夢に夏木さん出てきたって」





「うん、言ってたね………ってちょお待って、それが告白!?」





「そうだよ!」





「待って待って、少し話を整理しよう!」






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