勝手に古今和歌集
「というわけで、この歌の意味は。


自分の夢に好きな人が出てきたから、その人も自分のことを想ってくれていて、それで夢の中まで会いに来てくれたんだって喜んでいるんですね。


それまでは、夢なんてそんなに信じていなかったけど。

その人が夢に出てきてくれてからは、夢のことを信じて頼りにするようになった。

好きな人に夢で会えることを楽しみに待つようになった。

想い人に会うために夢の通い路を通ってくるのだという迷信を信じるようになった。


そういう歌なんです」







先生はそう言って、夢の話を締めくくった。





俺は頬杖をついて窓の外を見る。





今日は天気がいい。



真っ青な空が窓枠いっぱいに広がっている。





ぷかぷか浮かんでいる真っ白な雲が、ゆったりと流れていく。






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