喫茶の謎解き意地悪紳士
絵をギュッと抱き締める。
「……私。きっと気づいてなかったんだと思うんです。お父さんの愛にも、お母さんの愛にも……。」
世界中の誰にも私は愛されていない。
勝手にそう思い込んでいた。
「でも、あなたが言ってくれた。目に見える愛だけが、本当の愛じゃないって。私はやっぱり愛されてた。たくさんの人に……」
たくさんの愛情を注がれて、注がれて、ただ私が気づいてなかっただけ。
こんなにもそばに温かい愛があったのに。