魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
私を心配させまいとするかのように、勇飛くんが明るい声で言った。
「何か出そう」
「ここは薄暗いけど、まだ正午過ぎだよ。何も出るわけないよ」
「そうかな~。お化けとか出てきそう」
「そんなのいないって」
「でもここは……」
ゲームの世界だよ、と私が言いかけたとき、前方の茂みで黄色いものが四つ、ピカリと光った。それと同時に低いうなり声が聞こえてくる。
「やっぱり出たじゃない~」
「まずい」
勇飛くんが私をかばうように前に立ったとき、茂みから双頭の獅子が飛び出してきた。
「キャーッ」
私は悲鳴を上げた。獅子は大きな口からよだれを垂らしながら、咆哮を上げる。
「くそっ」
勇飛くんが背負い袋を投げ捨て、布を巻いて背負っていた剣を引き抜いた。
「ま、待って。お腹が空いてるなら、私たちじゃなくて干し肉を食べるかも」
「でも、それは王城に潜入するのに必要だぞ」
「ほんの少しだけ」
私は背負い袋から干し肉を一切れ取り出し、獅子の方に投げた。獅子が食べている間に通り過ぎようと思ったのに、双頭の獅子のどちらの頭も干し肉にチラとも見向きしない。
「何か出そう」
「ここは薄暗いけど、まだ正午過ぎだよ。何も出るわけないよ」
「そうかな~。お化けとか出てきそう」
「そんなのいないって」
「でもここは……」
ゲームの世界だよ、と私が言いかけたとき、前方の茂みで黄色いものが四つ、ピカリと光った。それと同時に低いうなり声が聞こえてくる。
「やっぱり出たじゃない~」
「まずい」
勇飛くんが私をかばうように前に立ったとき、茂みから双頭の獅子が飛び出してきた。
「キャーッ」
私は悲鳴を上げた。獅子は大きな口からよだれを垂らしながら、咆哮を上げる。
「くそっ」
勇飛くんが背負い袋を投げ捨て、布を巻いて背負っていた剣を引き抜いた。
「ま、待って。お腹が空いてるなら、私たちじゃなくて干し肉を食べるかも」
「でも、それは王城に潜入するのに必要だぞ」
「ほんの少しだけ」
私は背負い袋から干し肉を一切れ取り出し、獅子の方に投げた。獅子が食べている間に通り過ぎようと思ったのに、双頭の獅子のどちらの頭も干し肉にチラとも見向きしない。