魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
それを受け取って口に入れる。噛むとしゃりっと音がして、甘い果汁が口の中に広がり、喉の渇きが癒される。
「おいしい」
「もうすぐコランダム村だよ」
勇飛くんの声を聞きながら、私は一切れのリンゴを食べ終えた。
「ねえ、さっき私のキャラが崩壊してるって言ってたけど、勇飛くんは私のことをどう思ってたの?」
「どうって?」
「あ、えと、どんなキャラだと思ってたのかなって」
「ああ……」
勇飛くんが私にもう一切れリンゴを手渡してから言う。
「剣道場の壁に、剣道修錬の心構えってのが貼ってあるんだけど、あれが一年の冬休みに貼り替えられててさ。普通のポスターっぽい活字だったのが、すごい達筆の書になっててびっくりしたんだ。で、顧問の先生に訊いたら、書道部の津久野って生徒が書いたんだって教えてくれた」
「ああ、あれね。書道部の先生に言われて書いたの。活字より書の方が気持ちが引き締まるだろうからって、剣道部の先生に頼まれたって言ってた」
「うん。それで、どんな子が書いたのかすごく気になって」
「どんな子だと思った?」
「おいしい」
「もうすぐコランダム村だよ」
勇飛くんの声を聞きながら、私は一切れのリンゴを食べ終えた。
「ねえ、さっき私のキャラが崩壊してるって言ってたけど、勇飛くんは私のことをどう思ってたの?」
「どうって?」
「あ、えと、どんなキャラだと思ってたのかなって」
「ああ……」
勇飛くんが私にもう一切れリンゴを手渡してから言う。
「剣道場の壁に、剣道修錬の心構えってのが貼ってあるんだけど、あれが一年の冬休みに貼り替えられててさ。普通のポスターっぽい活字だったのが、すごい達筆の書になっててびっくりしたんだ。で、顧問の先生に訊いたら、書道部の津久野って生徒が書いたんだって教えてくれた」
「ああ、あれね。書道部の先生に言われて書いたの。活字より書の方が気持ちが引き締まるだろうからって、剣道部の先生に頼まれたって言ってた」
「うん。それで、どんな子が書いたのかすごく気になって」
「どんな子だと思った?」