魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
ふふふ、と微笑む私を、熊田先生が心配そうに見る。
「大丈夫か? 寝過ぎで夢と現実の区別がつかなくなってしまったんじゃなかろうな」
先生が言ったとき、スライド式のドアが開いて、白衣を着た男性と看護師さん、お母さんが入ってきた。
「世里!」
お母さんが駆け寄ってきた。赤く潤んだ目、ぼさぼさの髪の毛、荒れた肌。すごく心配かけたみたい……。
「ちょっと失礼しますよ」
白衣の先生に合図されて、クマゴンは病室から出て行った。ネームプレートに田山と書かれたその先生が聴診器で私の心音を聞き、看護師さんが血圧を測り始める。
「ふーむ、とくに異常は見られませんなぁ。念のため、もう一日入院して、脳波の検査などもしてみましょうか」
「え、私、大丈夫だよ」
そう言ってみたけど、やっぱりすきま風のような声しか出ない。
「大丈夫よ、お母さんもついているからね」
お母さんが田山先生に礼を言って、先生は看護師さんとともにドアから出て行った。
「ああ、よかった。本当によかった。このままずっと目を覚まさなかったらどうしようって心配でたまらなかったのよ」
「大丈夫か? 寝過ぎで夢と現実の区別がつかなくなってしまったんじゃなかろうな」
先生が言ったとき、スライド式のドアが開いて、白衣を着た男性と看護師さん、お母さんが入ってきた。
「世里!」
お母さんが駆け寄ってきた。赤く潤んだ目、ぼさぼさの髪の毛、荒れた肌。すごく心配かけたみたい……。
「ちょっと失礼しますよ」
白衣の先生に合図されて、クマゴンは病室から出て行った。ネームプレートに田山と書かれたその先生が聴診器で私の心音を聞き、看護師さんが血圧を測り始める。
「ふーむ、とくに異常は見られませんなぁ。念のため、もう一日入院して、脳波の検査などもしてみましょうか」
「え、私、大丈夫だよ」
そう言ってみたけど、やっぱりすきま風のような声しか出ない。
「大丈夫よ、お母さんもついているからね」
お母さんが田山先生に礼を言って、先生は看護師さんとともにドアから出て行った。
「ああ、よかった。本当によかった。このままずっと目を覚まさなかったらどうしようって心配でたまらなかったのよ」