魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「俺はおまえと過ごしたいなんて、これっぽっちも思ってないからな」

 俺の返事を聞いて、涼太は小さく肩をすくめて言う。

「こっちから告(い)ってやらないとぉ。津久野ちゃんってさ、絶対自分から告(い)うタイプじゃないぞ。野々香と違って大人しそうだしな」

 俺が黙っていると、涼太は勝手に話を続ける。

「野々香は結構積極的なんだ。体育祭で同じ応援団になったときにメアド訊かれてさ、最初は必要最低限のメッセージしか送ってこないんだ。でも、だんだんプライベートな話なんかもするようになってさ。そうしたら、意外と趣味が一緒で、“あ、こいつと気が合うかも”って思ったんだよなぁ! あいつ、気が強そうに見えて結構かわいいんだぜ」

 涼太がニヤニヤしながらホウキを抱きしめている。こうなったときの涼太は放っておくに限る。

 俺はため息を飲み込んで掃除に集中した。涼太ののろけ話を、ほかの生徒たちも「ハイハイ」と聞き流しながら手を動かして、掃除を終えた。

「じゃ、お先、な」

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