魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「開け、ごま」
つぶやくように言ってみたが、ドアはうんともすんとも言わない。
声が小さかったかな。
今度は大きな声で言ってみる。
「開けぇ、ごま!」
それでも開かない。えーい、日本語がダメなら英語で!
「オープン、セサミ!」
普通ならここでギギギギーと不気味な音を立てながらドアが開くはずなのに、目の前の扉には何も起こらない。
「もう、何よう!」
なんだか腹が立ってドアを蹴っ飛ばした瞬間、ドアが開いた。私は勢い余ってよろけながら中に入った。
「なんだ、押せばよかったのね」
無駄に汗掻いちゃったよ。
背後でドアが耳障りな音を立てながら閉まった。
「それにしてもほこりっぽいなぁ」
見上げた天井に明かり取りの窓があり、午前の光が四角く差し込んでいて、中の様子がぼんやりとわかる。中央にらせん状の階段があって、それを囲むように円形に本棚があり、革の背表紙の本がぎっしりと並んでいる。
「読めるのあるかな」
静かすぎるのが不気味で、ついつい独り言を言いながら、私は書棚に近づいた。その中の一冊を抜き出そうとしたとき、突然太くて低い声に怒鳴られた。
つぶやくように言ってみたが、ドアはうんともすんとも言わない。
声が小さかったかな。
今度は大きな声で言ってみる。
「開けぇ、ごま!」
それでも開かない。えーい、日本語がダメなら英語で!
「オープン、セサミ!」
普通ならここでギギギギーと不気味な音を立てながらドアが開くはずなのに、目の前の扉には何も起こらない。
「もう、何よう!」
なんだか腹が立ってドアを蹴っ飛ばした瞬間、ドアが開いた。私は勢い余ってよろけながら中に入った。
「なんだ、押せばよかったのね」
無駄に汗掻いちゃったよ。
背後でドアが耳障りな音を立てながら閉まった。
「それにしてもほこりっぽいなぁ」
見上げた天井に明かり取りの窓があり、午前の光が四角く差し込んでいて、中の様子がぼんやりとわかる。中央にらせん状の階段があって、それを囲むように円形に本棚があり、革の背表紙の本がぎっしりと並んでいる。
「読めるのあるかな」
静かすぎるのが不気味で、ついつい独り言を言いながら、私は書棚に近づいた。その中の一冊を抜き出そうとしたとき、突然太くて低い声に怒鳴られた。