魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「マスターが無事でよかったです」
「セリぃ」
しばらく二人で抱き合って泣いていたら、勇飛くんに咳払いをされた。
「いくらオネエキャラとはいえ、抱きつきすぎじゃないかな」
耳元でささやかれ、私は小さく舌を出してマスター・クマゴンから離れた。
「とりあえず火を消さないと」
マスター・クマゴンに言われて、私はうなずく。
水を呼び出して火を消す魔法は……。
「空気に隠れし水よ、ここに集え! ハイドロストリーム!」
杖でスペルを綴ると、杖の先に空気中の水分がどんどん集まってきた。それに伴い、杖が重くなる。そろそろいいかな。
杖を炎に向けて振り下ろすと、杖の先で渦を巻いていた水の流れが小屋に降り注ぎ、ほどなくして弾けるような音を立てながら、火が勢いを失っていった。やがて灰色の煙が上がり、火は完全に消えた。
焼け跡に近づいたマスター・クマゴンがきっぱりと言う。
「これはやっぱり放火だわ」
「どうしてそう思うんですか?」
勇飛くんの問いかけに、マスター・クマゴンは確信に満ちた声で答える。
「セリぃ」
しばらく二人で抱き合って泣いていたら、勇飛くんに咳払いをされた。
「いくらオネエキャラとはいえ、抱きつきすぎじゃないかな」
耳元でささやかれ、私は小さく舌を出してマスター・クマゴンから離れた。
「とりあえず火を消さないと」
マスター・クマゴンに言われて、私はうなずく。
水を呼び出して火を消す魔法は……。
「空気に隠れし水よ、ここに集え! ハイドロストリーム!」
杖でスペルを綴ると、杖の先に空気中の水分がどんどん集まってきた。それに伴い、杖が重くなる。そろそろいいかな。
杖を炎に向けて振り下ろすと、杖の先で渦を巻いていた水の流れが小屋に降り注ぎ、ほどなくして弾けるような音を立てながら、火が勢いを失っていった。やがて灰色の煙が上がり、火は完全に消えた。
焼け跡に近づいたマスター・クマゴンがきっぱりと言う。
「これはやっぱり放火だわ」
「どうしてそう思うんですか?」
勇飛くんの問いかけに、マスター・クマゴンは確信に満ちた声で答える。