生徒会のスガオ
「あーもうっ、触んないで!気持ち悪いっ」

「は!?」

「こっちが大人しくしていれば勝手なことをベラベラと!こっちは無理して演技して良い子ちゃんを演じてたのよ。お人好しとか言われるの本当は腹が立つのよ!虫酸が走る!そこのお前ら!醜い顔で近寄んないでよ!キモいから。そんな顔で無理矢理に襲ってでしか手に入らないんだろうけど逆効果だから!だから触んな!気持ち悪い!!」


マシンガントークで罵詈雑言を言えば、不良たちがうっすらと涙を浮かべた。
払っても触れようとしたことに私は更に火がついていた。


「き、気持ち悪いって何度も言わなくても……」

「モテないなりにも努力しろよ。おまえは単なる気持ち悪い以下だ!触んな」

「だ、だからっ」

「マジで触れるな。雑菌が増える」

「ざっ!?」


とどめの一言に不良たちは立ち上がることが出来ずその場に座り込んでいた。私はその場から振り返り歩こうとしたら、立ち去っていない月居くんがいて、私は足を止めていた。


「いーやぁぁぁ!いたのぉぉぉぉ!?」


思わず私は悲鳴を上げた。あまり月居くんに見られたくなかった。というより、私の素をあまり誰かに見られたくなかった。


「あうう」


弱味を握られたような感じで私はゆっくりと逃げるように月居くんに背中を向けた。
歩こうとした私の腕をギュッと掴まれた。


「え?」

「こっち」

「ちょっ!」


引っ張られて私は足をもつれさせながら月居くんの背中を見上げた。相変わらず猫背だけど身長が高い。顔を隠してあるマスクは、表情すら見せなかった。

がっちりと私の左手を掴む月居くんの手は男の子らしいしっかりとしたものだった。

どうして、ドキドキとしているんだろう。
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