にせパパ、はじめました。











「…ごめんね、奢ってもらっちゃって……」


数分後、俺達は店を出た。

ここからはさすがに3人で行動は危険(知り合いにあったら終わり)なので、西城とはここで別れる。


「いや、別に大丈夫。気を付けろよ」

そう言うと、西城は「ありがとう」と言った。

「冬、またパパとママに会いに行くからねっ!」

「うん、ふふ、ホント冬ちゃん可愛いね」

可愛いもなにも、初対面の相手になんてこと言うんだ……


女子から見たら、可愛いんだろうか…?


「それじゃ、また学校で」

「ああ、じゃあな」


軽く挨拶をして、俺達は別れた。



所持金は別に大丈夫だが、時間がもう少ししかないな……


「ほら、早く行くぞ冬、時間がない」

「うん…」


………?


「どうした?」

「!な、何でもないよ!早く行こ!」


一瞬、冬の顔が曇っているように見えた。

気のせいだろうか。



< 40 / 44 >

この作品をシェア

pagetop