愛に溺れる

展開

そんな毎日を送っていると
今日は父から話しかけてきた。



いつものように見送ると
父は振り返り言ったのだ



『今日は話すことがあるから
起きていなさい。』



話すこと………。

一体なんだろうか、気になった私は
頷けばいいことを聞き返してしまった。



『………なんの話?』



『帰ったら話す、起きていればいいんだ。』



少し怒り気味になってしまった
父の声にビク付き、わかった。と答えた



父が出ていった玄関から動けず
頭の中で話があるという父の言葉が

繰り返されたのだっ。




学校に着いてからも変わらず
ずっと考えていた




夜まで続くのだろう。





引越しか転勤か成績か
思いつく限り頭の中でシミュレーションした

結果は結局意味はなかったと思う



頭の中で繰り広げられる
ドラマのような光景は見えたらどんな風に
見られるのだろうか




父との会話でこれほど考える私は
娘として家族としておかしいのかもしれない




授業そっちのけでいるもんだから
先生に声をかけられた



『大丈夫?熱でもあるのかな…
ボーっとしてどうしたの?』



周りから見たらそう見えるんだ…。

まさか父と久しぶりができることで
頭いっぱいなんです

なんて言えないから



『大丈夫です、先生。今日の夜ご飯
何かなぁって考えてました』



口からでまかせもいいところ…。



『あら、今から考えて
食いしん坊さんなのね。』



先生は笑顔で返してくれるものだから
嘘ついたことに心が痛む…。




それから私は夜のことで
頭を悩ませたのだ。



先生や友達、ごめんね



私は学校が終わると走った




家に誰もいなくても




夜まで待つことになっても




それでも、帰りたい。




会いたい、話したい、聞きたい
色んなことをしたいんだ。






必死な私の今が幸せなことを
今の私には分からなかった






真実を知るんじゃなかったと、



後悔するのはまだ、先の話。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop