【完結】遺族の強い希望により
「私のことが本当に好きなら怖くないでしょって!!」
「もう言うな、みのり!」
間に合った。
亮を捉えたままの父の左腕に抱きつくようにして、みのりは2人の間に滑り込んだ。
父の拳は振り上げられた頂点で止まったままだった。
「避妊なんかしないでって私が言った! 赤ちゃん出来たら喜んでくれるよねって、私が」
「やめろ!」
亮は必死で止めようとしていた。
みのりの口からそれを言わせたくないからか、みのりの両親に聞かせたくないからかは分からない。
けれどもう、止まらない。
零れた茶が落ちるのと同じだった。
「私が先に亮の気持ちを試したの! 亮はそれに応えてくれただけなのよ!!」
付き合っている間に、何度か身体を重ねた。
最初からずっと、亮が避妊を怠ったことなど一度もなかった。
2人が離れ離れになる新生活が近づいて、どうしようもない不安にみのりが耐え切れなくなった春、たった一度だけ。
彼はみのりの願いに、行為で応えてくれた。
「亮は悪くない。ぶつなら私をぶって」
「もう言うな、みのり!」
間に合った。
亮を捉えたままの父の左腕に抱きつくようにして、みのりは2人の間に滑り込んだ。
父の拳は振り上げられた頂点で止まったままだった。
「避妊なんかしないでって私が言った! 赤ちゃん出来たら喜んでくれるよねって、私が」
「やめろ!」
亮は必死で止めようとしていた。
みのりの口からそれを言わせたくないからか、みのりの両親に聞かせたくないからかは分からない。
けれどもう、止まらない。
零れた茶が落ちるのと同じだった。
「私が先に亮の気持ちを試したの! 亮はそれに応えてくれただけなのよ!!」
付き合っている間に、何度か身体を重ねた。
最初からずっと、亮が避妊を怠ったことなど一度もなかった。
2人が離れ離れになる新生活が近づいて、どうしようもない不安にみのりが耐え切れなくなった春、たった一度だけ。
彼はみのりの願いに、行為で応えてくれた。
「亮は悪くない。ぶつなら私をぶって」