【完結】遺族の強い希望により
少しでも落ち着ける場所を探して、2人は奥へと進んだ。
木造の床は、一歩踏むごとに不気味な音を立てる。
けれど、固く繋ぎ合った互いの手から伝わる熱が不安を吹き飛ばした。
各教室の入口に、墨で学年やクラスが書き入れられた木の板がぶら下がっている。
1階は避けたかった。
万が一表を通りがかった誰かに覗かれたくない。
1年生の教室が並ぶ1階を素通りし、階段を見つけると迷わず上に上がっていく。
2階へ着くと、階段正面が職員室のようだった。
長く続く職員室に沿って廊下を進むと、その奥に校長室の表示がある。
もしかしたらそこならば、と、男はそっと引き戸を引いた。
木造の床は、一歩踏むごとに不気味な音を立てる。
けれど、固く繋ぎ合った互いの手から伝わる熱が不安を吹き飛ばした。
各教室の入口に、墨で学年やクラスが書き入れられた木の板がぶら下がっている。
1階は避けたかった。
万が一表を通りがかった誰かに覗かれたくない。
1年生の教室が並ぶ1階を素通りし、階段を見つけると迷わず上に上がっていく。
2階へ着くと、階段正面が職員室のようだった。
長く続く職員室に沿って廊下を進むと、その奥に校長室の表示がある。
もしかしたらそこならば、と、男はそっと引き戸を引いた。