【完結】bitter step!
ガラガラッ、ピシャンッ!!
て、豪快な音を立てて全力でドアを開閉したらしい純平が、息を切らしながら先輩のいる長机に倒れ込むようにのしかかる。


「てめー……、囮にしやがったな」

そう言って先輩に凄んだ割に、何故か純平は楽しそうで。
先輩も、声を立てて笑った。

廊下にパタパタと複数の足音と甲高い声が響いた。
ああ、女の子に追っかけられてたんだ。


「早く食べなよ、純平」


……言ったのが美紗だったら、ボクは別に驚かなかった。
ボクは思わず声の主――生徒会長の顔を、二度見した。


『高岡君』
ついさっきまで、そう呼んでいたのに。


「な、に……仲良くなってんの」

無意識に口から漏れたその言葉が、純平に投げたものなのか、先輩に投げたものなのか。
ボク自身だって、分からない。


ただなんとなく、置いていかれたような気がして。
少しだけ、いやだと思った。


美紗の手が伸びてきて、机の下で、ボクの手をそっと握った。
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