secretkey~内緒のドアを開ける君~
「隣いい?」
「勝手にしろ」
「勝手にする」
「なんだよおまえ」
「別にいいじゃん」
隣に座る女はけらけら笑う
「最近、わんこくんみないね~ケンカでもした?」
「別に」
「ふ~ん
ねっ水瀬くんでしょ?
本当にかっこいいよね」
「うるさい」
「でもさわんこくんどこ行っちゃったんだろうね」
「うるさい聞こえなかったか」
「聞こえてるよ
でも話したいから話してるの
だってわんこくんがいなくなってからみ~んな雰囲気違うんだもん」
俺はしかたなくコーヒーを奢ってやる
「なんだよ?」
「ありがと
お礼にわんこくん捜し手伝おっか?」
また笑う
どうしてこんなに笑えるのか理解できない
しばらくしてまたドアベルが鳴る
「ココア」
まさかこの声、噂をすればなんとやらだ
「日向」
「誰あんた」
は?俺は言葉を飲み込んだ
確かに目の前にいるのは日向だ
でも違う日向であって日向でない
「わんこくん?」
「さっきから誰なんだよおまえら」
「冗談だろ」
俺は笑うことしかできなかった
「あんた前にも会った?
って桜さん殺した犯人じゃん」
「悪い冗談だろ」
「まっいいやとりあえずココア」
なんなんだよ日向おまえ
俺は咄嗟に日向に詰め寄っていた
「日向」
「しつこいなぁあんたなんか知らない」
「ふざけんなよ日向」
詰め寄って啖呵を切るが日向の振り抜いた拳が当たる
「うるさい
さっきから馴れ馴れしく人の名前呼んで
虫けらはさがってろ
俺たちが正義なんだよ」
もうどうでもいい
日向がその気なら受けとめてやる覚悟だ
日向は弱いままでいい
いつまでも俺の飼い犬でいいんだ
なにが正義でなにが悪か
そんなのどうだっていい
「おまえなに思い出したんだよ」
「別になにも
あの人に思い出させてもらったことが真実なんだよ」
「はぁ?」
あの人?誰なんだよったく
「日向くんこんなとこにいたのねダメじゃない1人で出歩いちゃ」
あの時のおかま野郎
「日向になにした?」
「別にな~んにも
さあ帰るわよわんこ君」
渋々、去っていこうとする日向に言う
「待てよココアならいくらでもいれてやるだから目さませバカ犬」
俺の言葉が届いたのか日向がそこにうずくまる
何か忘れてる気がする
なんだっけ···
思い出せそうでもダメだ
「帰るわよ」
「帰ら···ない」
好きって伝えなきゃいけない気がする
俺この人のこと忘れちゃいけないんだ
ちゃんと伝えなきゃ
水瀬確かそんな名前
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