secretkey~内緒のドアを開ける君~
差し出された手
振り払おうとする手
俺は光に向かって手を伸ばした
「水瀬」
「やっと思い出したかバカ犬」
「水瀬」
にやりと水瀬が笑った気がする
「なによ洗脳が解けたの」
「みたいだな」
もうだかなんだか言ってそいつは出て行ってしまう
俺は日向を後ろから抱きしめた
「おかえり」
「水瀬、気持ち悪い
そんなキャラじゃないからデレ甘は水瀬ぢゃない」
「うるせぇよ」
耳元で甘く囁かれる
「水瀬、ココア飲みたい」
まったくどうしてこいつはこんなにかわいいんだか
「良かった良かった
おかえりわんこくん」
「あっ···」
「婦警の小桃で~す
以後よろしくなんちって」
てへへと笑う小桃さんはそのまま敬礼して行ってしまう
「さてどうしますか日向くん」
「水瀬」
「なんだよ」
「キス···おかえりのキス」
おまえにはこれで充分だと額にキスを落とされた
「うぅ水瀬のイジワル」
待って、俺は水瀬の腕を引っ張って振り向いたところで強引にキスをした
「なんのつもりだ?」
「俺は一生、水瀬さまの番犬でいますの誓いのキス」
「意味わかんね
ついでにキスはこうするんだよバカ犬」
頭一つ分、背の低い日向を見下げる様に壁に手をつきキスをした
水瀬のキスは少しだけタバコの苦い味がした
その後は水瀬と一緒にマンションに帰りココアにありついた
「うまっ」
「なあなんでそんなにココアなわけ?」
「よくわかんねけど懐かしい味がして
水瀬じゃないけどいつも誰かがココアいれてくれてたんだ」
「なんだそれ」
水瀬が声を出して笑うなんて珍しい
「わかんない」
ココアを飲んでるとすごく落ちつく
いつの間にか隣に来ていた水瀬が俺の膝に頭を預けごろりと横になった
このソファーが広くてよかったなどと野暮なことを思っていると
「疲れた」
水瀬が愚痴る
シャツから覗く引き締まった腹が妙にエロい
「ごめんキライなんて言って」
「なにが?」
「俺さ水瀬のこと好きなんだよたぶん
桜さんが死んで水瀬のこと独占できるって考えてばかりで本当に···かっこわるい」
「おまえの言う好きってなんなんだよ?」
水瀬は目を閉じながら呟いた
「好きは好き」
日向に恋愛感情などあるのだろうか
日向が言う好きはなんか違うような気がした
「好きね」
「うん好き」
ココアを置いて水瀬の髪をすっと指で梳く
そして優しくキスをした
水瀬がこたえるように噛みついてくる
「桜なんだけどきっと知りすぎたんだよ」
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