secretkey~内緒のドアを開ける君~
「だって水瀬が最初にくれたのもコンビニのおにぎりだった
すっげ~うまかった」
にぱっと笑う日向はあどけないけどこういう奴は何を隠してるか知れない
「買ってくる動くなよ」
「うん」
日向を部屋に残しとくのは正直、不安だったがしかたなく外に出た
水瀬がいない部屋はどことなく寂しい
テレビを消して奥の水瀬の部屋の電気をつける
何もないただパソコンがあるだけ
パソコンはよくわからないから触らない
写真立てには桜さんとの写真があって俺の入り込む隙なんてない
パソコンのデスクの横にはタバコがあるだけ本当になにもない部屋
水瀬の部屋を後にしてリビングのソファーにごろりと横になる
すると携帯が鳴りだした
「もしもし」
「直人さんいい加減に帰ってきなさい」
またこの声だ
無論、実の両親ではない
もう何人目か忘れた里親の物だ
つまりは赤の他人だ
「なんで」
家族を求めたのは俺なのに離れたのも俺だった
「帰るの帰らないの?」
「もう少しここにいるからサヨナラ」
俺は携帯を切って冷たい床に落とした
うたた寝しているといつの間にか水瀬が帰ってきていた
「水瀬···どこ···こわい···助けて」
日向のたまにあるパニック症状
こういう時は軽く抱きしめてやる
「ただいま」
「水瀬」
「大丈夫か?」
「うん
水瀬あのさ俺に銃教えて」
「似合わねぇよ」
「俺、水瀬の役にたちたい」
俺の言い分などきいてないような態度でココアを置いて水瀬は俺の前に悠然と座り足を組むと携帯を開いた
「役にか充分だ今のままで」
水瀬はコーヒーを一口飲むと今度はタバコに火をつけた
「んなことねぇって」
携帯を置いてことりとテーブルに銃を置いた
「触るなバカ犬」
「教えてくれるんだろ?」
「誰がそんなこと言ったんだよ?」
「俺は誰かを守れる強さがほしい」
「こいつはな守るための道具じゃあない奪うためだ」
水瀬はゆっくりと弾を込めながら言葉を吐いた
「意味わかんね」
俺はココアを飲みながら銀色の銃端をみつめた
力がほしいでも水瀬は違うと言った
「ガキだよな本当」
「当たり前だろ
俺、必ず役にたつから」
「とりあえず食って寝ろ」
「水瀬どこいくんだよ」
「病院」
「また独り···」
水瀬はどこかに電話をしてにっこりと笑った
こういう水瀬キライだ
「おとなしくしてるんだぞ」
「わかった」
「鍵、置いとくからな」
「うん」
しかたなく水瀬を見送りテレビを見ながらおにぎりにパクついた
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