恋の禁断症状

先輩の背中は広かった

上着を脱いだカッターシャツは洗いたてでアイロンがよく効いていた

長袖を腕まくりしてわたしをおんぶした

先輩の匂いはシトラスな香りがした

かずゆきが春の雨の薫りを放っていたのなら
まさふみ先輩の場合は初夏の風を思わせた

爽やかでうきうきしてこれから楽しいことが待っている、そんな期待を運んできてくれるような薫り


< 158 / 500 >

この作品をシェア

pagetop