あなたに願いを青春を…
そして、私は彼に無理なお願いしたのもこの時がはじめてだった。

毎年、クリスマスが近くなるとクリスマス会を学年でやっていた。

瑠夏:「ねぇ、聖也。今度のクリスマス会で
何か面白いだしものしてよ」

聖也:「はぁ?何で俺がやらなきゃいけない
んだよ!?」

瑠夏:「何でって、その方が面白いじゃ
ん(笑)」

聖也:「意味分かんない。だったら、俺じゃ
なくて他の奴に頼めよ」

瑠夏:「聖也にしか頼めないから言ってるん
じゃん!」

聖也:「とにかく、俺はやらないから」

そう言って聖也は自分の席に戻った。

瑠夏:「あぁ~あ。残念…」
独り言を言ってがっかりした。



翌日、聖也の周りにはたくさんの男子が集まって何か楽しそうに話し合っていた。

瑠夏:「ねぇ。何やってるの?」

男子:「何って、昨日急に聖也がクリスマス
会で劇やろうって言うからその打ち
合わせだよ」

瑠夏:「えっ?だって昨日…」

聖也:「うるさいな。気が散るからあっち行
ってて!」

そう言って照れくさそうに私を追いやった。

そして、クリスマス会当日。
男子たちが劇を披露してくれた。
劇は大成功。とても盛り上がった。

瑠夏:「聖也!」
「ありがとう。楽しかった」

聖也:「おう!」

そう言った彼の顔は誇らしげだった。
その顔を見た私も何だか嬉しくなった。
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