睡恋─彩國演武─

「……え?」


「あ、いや、何でもない。春牧のこと、白王に言い忘れたなって……」


「あぁ、そういえば。でも大丈夫ですよ」


「どうして?」


「王のことだから、その辺の事情は言わずとも理解してるはずです」


由良は細かいことは気にしない性格なのか、そう言って千霧の前を歩く。

千霧も遅れないように、その後を追った。

……由良と空良の性格は、まるで反対だ、と心の内で思いながら。





< 152 / 332 >

この作品をシェア

pagetop