睡恋─彩國演武─

千霧も呉羽達の居る庭へと向かった。


庭へ出ると、千霧のいる方に呉羽が背中を向けており、その後ろ姿に隠れてしまっているのか、アイの姿は見えない。

口の中が渇いて、千霧は唾を飲んだ。


「──あの」


声を発すると、気付いた呉羽が振り返る。

彼の身体が向きを変えるのと同時に、隠れて見えなかった人物の姿が目に映る。





< 191 / 332 >

この作品をシェア

pagetop