睡恋─彩國演武─
*
一人、溜め息をついた。
言葉も交わせぬまま、妙にゆったりと時間が過ぎていく。
もどかしく、また溜め息をつく。
「ねえ、月読。私は──もう要らないんだろうか」
膝に乗せた月魂を撫でながら、問うてみる。
『やけに弱気じゃないか。要るか要らないかなど、他人が決めることでは無いと思うぞ?』
「でも、否定されたら、そう錯覚してしまう」
『お前が四聖を信じなくてどうするんだ?それに、自分で自分を見放したら、否定されたお前自身はどうなる』
月読の言葉は、重かった。
……それでも、あたたかい。