睡恋─彩國演武─





一人、溜め息をついた。

言葉も交わせぬまま、妙にゆったりと時間が過ぎていく。

もどかしく、また溜め息をつく。


「ねえ、月読。私は──もう要らないんだろうか」


膝に乗せた月魂を撫でながら、問うてみる。


『やけに弱気じゃないか。要るか要らないかなど、他人が決めることでは無いと思うぞ?』


「でも、否定されたら、そう錯覚してしまう」


『お前が四聖を信じなくてどうするんだ?それに、自分で自分を見放したら、否定されたお前自身はどうなる』


月読の言葉は、重かった。

……それでも、あたたかい。



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