睡恋─彩國演武─

溢れそうな感情を理性で押さえつけ、返事をする。


「必ず、彩國を救ってみせます。時間がかかっても、きっと!」


「……お前なら、必ずやり遂げられる」


父の背中が、大きくて。

いつも追いかけてばかりだったその背を、今度は千霧が背負うのだ。

その背を越えれば、千霧自身もまた、大きくなる。


「約束します」


だから見ていて下さい。

私が彩國を、貴方の国を救えるまで。








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