深紅の花に姫君《改装版》
「私たちも同じ………か」
この前、あのヴァンパイアに言われた事を思い出した。
生きるために人を殺すのは、私たちが食料として動物を狩るのも、同じ。
そして………
「欲の為に、家族も殺せる人も………また化け物」
「何が言いたいの?」
ディオナは私を睨み付ける。
「化け物はスイラン様、あなたですよ」
マルクス大臣の言葉に私は頷く。
「そうだね……私は化け物。そして、あなた達も」
不思議なくらい頭が冴えていた。
私はクリスへと視線を向ける。
「クリス、私達は皆化け物をここに飼ってる」
私は心臓を指差す。
「な、何を…………」
戸惑うクリスに、レインも攻撃をやめた。
「あなたは、どうして戦っているの?」
「俺は………」
言い淀むクリスに、ディオナは鼻で笑う。
「私の血を飲むためよ、クリスは血を飲まないとヴァンパイアとしての飢えを抑えられなくて人を襲ってしまうものね」
「!!その通りです……」
そう言いながら、苦しそうに俯くのは、きっと……
「そう、人を殺したくないのね……」
「あっ………」
目を見開くクリスに、確信する。
そうだ、クリスは人を殺したくないんだ。
それなのに、衝動を抑えられないから苦しい。
「優しい人なのね、クリスは」
私はクリスに笑いかける。
クリスは泣きそうな顔で私を見つめた。